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酒のSP ラングドックワイン委員会

Languedoc Dayを機に、南仏ワインの品質と付加価値を考える

【月刊HOTERES 2018年06月号】
2018年06月18日(月)
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ラングドックのAOCマップ

最古にして最大のワイン産地

 フランスのラングドックワイン委員会は5月25日、この日を世界的に「ラングドック・デイ」として同地のワインに触れるプレゼンテーションランチを東京・西麻布のレストラン「AZUR et Masa Ueki」で開催した。
 ラングドックでのブドウの栽培と収穫は紀元前7世紀にさかのぼり、世界最古のブドウ畑が存在するのに加え、ワイン造りは2500年前を起源として23万5000㏊におよぶ栽培面積は世界最大のワイン産地としても知られている。12世紀には、ムタージュ(発酵過程でのアルコール添加により、発酵を止めること)による甘口ワインの製造がはじまり、1530年代にリムーで始まったスパークリングワイン造りは、シャンパーニュに先駆けるものだったと言われている。わが国では比較的安価でボリューム感のある味わいとして、コストパフォーマンスの良さで知られてきたワインが近年、現地生産者と委員会の活動により大きく変貌を遂げようとしている。

2007年に始まる改革。AOCの階層化で高品質ワインの存在アピール

 品質の向上を訴求する動きは、数年前より進められているラングドックのAOCの階層化が物語っている。36のAOC(原産地呼称)から、「コルビエール・ブートナック」「ミネルヴォワ・ラ・リヴィニエール」「ピク・サンルー」「ラ・クラプ」「テラス・デュ・ラルザック」の5つをラングドックのアイコンとなる存在の「Crus du Languedoc」と制定し、ブドウの個性やテロワールの多様化を反映している産地としての「Grands Vins du Languedoc」、ラングドックワインのゲートウェイとなるAOCラングドックを「Appellation regional」、そして19のIGP(保護地理的表示)によるピラミッドを形成している。

< アミューズ > 太刀魚のマリネ ホワイトアスパラガスのババロア
< 前菜 > リードヴォーとひしおのグラタン仕立て 皮付きキウイ添え
< 魚 > 時しらずの猪ベーコン巻き 北海大あさりブールノワゼットソース
< 肉 >スモークした仔羊のロースト 花付きズッキーニのファルシー ソースタップナード

「AZUR」植木シェフと「アピシウス」情野ソムリエの協奏


Masa Uekiこと植木将仁シェフと、この日のゲストソムリエ、アピシウスの情野博之氏の饗宴は見事に調和した

 この日のプレゼンテーションでは、「AZUR et Masa Ueki」の植木将仁氏による特別メニューが提供された。「太刀魚のマリネ ホワイトアスパラガスのババロア」のアミューズからスタートした料理5品には、植木氏が大切にする香りがふんだんに込められている。スタッフ自らが摘んでくるハーブが各皿に数種類、そして日本あるいはオリエンタルなインスピレーションをもたらすスパイスの存在が時折り光を放つ。ワインはシャンパーニュの作り手だったミシェル・ドゥヴァン氏がリムーで立ち上げたワイナリーの「クレマン・ド・リムー ル・クロ・デ・ドモワゼル 2015」をスターターに、東京・有楽町のレストラン「アピシウス」の情野博之シェフソムリエが格付けの異なる8アイテムをセレクト。ひと口ごとに表情を変える料理に呼応するように、各々が協奏した。
二つ目の白ワイン「シャトー・ダングレス」を造る、シャトーラフィット・ロートシルトで醸造長を8年間務めたエリック・ファーブル氏にも共通するが、ラングドックという地に惚れ込み、自らのフィールドを移してワイン造りに励む存在にも注目したい。一方で、続く白ワインの「マス・サンローラン」のようにそこで生まれ育った生産者も当然存在する。起伏に富んだ地形と石灰質の高地やハーブが香る灌木林(ガリーグ)、粘土質の低地や海岸線の砂地などのテロワールとともに、多様な作り手にも目を向けると、ラングドックの魅力がより近く感じられるはずだ。


ラングドックワイン委員会から来日したエステル・ニジョフ女史

LANGUEDOC DAY 2018 MENU
< アミューズ > 太刀魚のマリネ ホワイトアスパラガスのババロア
Wine #1 AOCリムー ドメーヌ・ジ・ロレンス クレマンドリムー ル・クロ・デ・ドモワゼル 2015

< 前菜 > リードヴォーとひしおのグラタン仕立て 皮付きキウイ添え
Wine #2 AOCラ・クラプ シャトー・ダングレス グラン・ヴァン・ブラン 白 2015
Wine #3 AOCピクプール・ド・ピネ ドメーヌ マス サン ローラン 白 2015

< 魚 > 時しらずの猪ベーコン巻き 北海大あさりブールノワゼットソース
Wine #4 AOCリムー ドメーヌ・ド・バロナーク バロナーク 赤 2013
Wine #5 AOCミネルヴォア ドメーヌ・アンヌ・グロ・エ・ジャンポール・トロ ミネルヴォア・ラ・シオード 赤 2014

< 肉 >スモークした仔羊のロースト 花付きズッキーニのファルシー ソースタップナード
Wine #6 AOCテラス・デュ・ラルザック レ・トロワ・ネッサンス 赤 2011
Wine #7 AOCコルビエール ジェラール・ベルトラン テロワール・コルビエール 赤 2014

< デセール > 燻製シナモンと黒ビールのクラフティ
Wine #8 AOCミュスカ・ド・サンジャン・ド・ミネルヴォワ ジャン=クロード・マス エステーツ&ブランズ ディー・エー ミュスカ・デザート 白(甘口)2016

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