イタリア最大級のワイン展示会「VINITALY」では特設のパビリオンでプレゼンテーションが行われる
年間生産量5億本、日本でも急拡大
世界的なアルコール市場が混とんとする中で、スパークリングワインは数少ない“ 優良株” だ。IWSR(英国)の速報によれば、2016年に縮小したワイン市場は17年には0.5%の上昇に転じている。イタリア、ロシア、米国は依然としてワインの成熟市場であり、減少を見せた英国などもスティルワインの減少をサイダーとスパークリングワインの伸びが打ち消しているという。そのスパークリングワイン市場で最大の生産量を誇るのがイタリア北部、ヴェネト州とフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州を産地とするプロセッコだ。
特筆すべきはその生産量だ。年間3億本を産するシャンパーニュに対して、プロセッコはDOCとDOCG合わせて3カ所ある産地のうちプロセッコDOCだけで4 億4000万本(2017年)。DOCG を合わせれば5億をはるかに超える世界随一の生産量の背景には、需要の高さがある。
全体の75%は輸出され、輸出先は英米とドイツが6割を占め、287万本(2016年)が日本にも届いている。その日本のワイン市場もまた、かつてない膨らみを見せており、06年からの10年でスパークリングワインの輸入量は1.8倍と勢いは止まらない。シャンパーニュやスペインのカバ、そしてイタリアのフランチャコルタに並ぶ代表的カテゴリーたるプロセッコ。日本ではその人気の高さと店舗数の多さから“ 準和食” と呼ぶ人もいるイタリア料理業態の普及と比例して、その知名度を高めてきた。
プロセッコDOC ワイン保護協会のあるトレヴィーゾは、市中に川が流れる風光明媚な街だ
協会本部でレクチャーを受ける昨年のプロモーション優良店の「KNOCK」の大西淳一氏、俵大洋氏と「NIDO」の戸羽剛志氏、茂木孝弘氏、プロセッコDOCアンバサダーでソムリエの水口晃氏