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HOTERES Entertainment Select Vol.7!

ウェルネスがエンターテインメントになる体験 ―‟ 麻布台ヒルズ ウェルネスプログラム“

2026年03月23日(月)
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ヨガが行なわれた作品空間。《人々のための岩に憑依する滝》や《花と人、コントロールできないけれども共に生きる – A Whole Year per Hour》など、空間で次々と変化し混ざり合う作品と自らの動きを重ねる瞬間、思考がふっとほどけ、心が静まるような‟無我の境地”に近い感覚を覚えた参加者も少なくないのではないだろうか?
ヨガが行なわれた作品空間。《人々のための岩に憑依する滝》や《花と人、コントロールできないけれども共に生きる – A Whole Year per Hour》など、空間で次々と変化し混ざり合う作品と自らの動きを重ねる瞬間、思考がふっとほどけ、心が静まるような‟無我の境地”に近い感覚を覚えた参加者も少なくないのではないだろうか?

 麻布台ヒルズでは“Green & Wellness”をコンセプトに、人々の健やかなライフスタイルを提案する‟麻布台ヒルズ ウェルネスプログラム”を展開している。施設内中央広場でのランニングや各施設と連携した多彩なプログラムを定期的に開催し、ヨガやピラティスなどのフィットネスアクティビティを通して心身の健康を促す取り組みだ。

 この度、同取組みの特別回として、麻布台ヒルズ内にある「森ビルデジタルアートミュージアム:エプソンチームラボボーダレス」のアート空間を会場に、ヨガやピラティスなどを行なうプログラムが実施された。アート空間で体験するセッションを通して心身ともに健やかな状態へ導き、作品体験をより深めることを目的としたものだ。昨年初開催された折には定員70名に対して約10倍の応募が集まり、好評を受け今年は参加人数を約220名に拡大。3つの作品空間で、‟ヨガ”、‟ピラティス”、‟クリエイティブジャーナリング+ヨガ”の3種類のプログラムが同時に開催された。

 まずはチームラボボーダレスのコンセプトを象徴する場所といっても過言ではない、《人々のための岩に憑依する滝》の空間で実施されたヨガのプログラムについて紹介する。もっとも多くの参加者が集まった同セッションでは、複数の作品が境界なく移動しながら混ざり合う空間の中で、床や作品空間と一体化する色のヨガマットを用いてセッションを実施。参加者自身が作品世界の中に溶け込むような感覚を覚え、空間との境界が薄らいでいく中で呼吸を整えることで、ヨガが導くウェルネス感をより特別なものとして感じさせるという。ちなみに同空間にはアート作品を構成する要素として音と香りもプログラムされており、視覚だけでなく、いくつもの感覚が研ぎ澄まされた空間で行なわれたインストラクションは非常に心地よいものだった。

 次に紹介するのは、無数の光の彫刻が広がる幻想的な空間《Infinite Crystal World》で実施されたピラティス。四方を鏡面に囲まれ、光だけでなく自らの姿も無限に広がる非日常的な視覚世界が広がる空間での体験が特徴だ。ピラティスによる身体の動きに意識を向けることで五感が研ぎ澄まされ、光が無限に広がる作品世界をより深く体験できる構成となっている。

 そして最後に紹介するプログラムは、チームラボのミュージアムで開催されるからこそ体験できるともいえる、《スケッチオーシャン》で行われたクリエイティブジャーナリングとヨガのセッションだ。クリエイティブジャーナリングとは、感情やアイデアを文章や絵、図などを用いて自由にノートに記録する、心理学的な要素も取り入れた創造的な自己探求メソッドである。同空間ではまず、あらかじめ用意されているいくつもの種類の海の生き物の絵から気に入ったものを選び、そこに色を載せて‟自分の海の生き物”を描き上げる。その絵をスキャンすると、海の生き物が作品空間の中で泳ぎ出す様子を体験することができる。魚たちは同空間だけでなく、時に他の作品へ“境界を越えて”泳ぎ始めることもある。マグロに関しては、世界の他のチームラボミュージアムで展示されている《スケッチオーシャン》まで泳いでいくというから面白い。このように自由な表現を通して思考や感情を整理し、自分自身と向き合う時間を生み出すことで、ストレス軽減や創造性の向上、自己理解を深める効果が期待されている空間で、ヨガセッションが行われた。本プログラムでは、自分たちが描いた生き物に囲まれながら、水中にいるかのようなリラックスした状態でヨガを行ない、作品を鑑賞する。‟その瞬間、その場に居る“からこそ味わえる特別な体験という意味でも、アート作品を自ら作るというクリエイティビティと、ヨガによるフィジカルとメンタル双方へのアプローチという複合的な要素に触れられることから、最もエンターテインメント性の高い希少なプログラムだと言える。
 

ピラティスが行なわれた《Infinite Crystal World》。瞬間瞬間に色が変わり、点滅のきらめきが美しい‟光のカーテン“の中で、体の軸にアプローチするピラティスは、参加者にどのような意識の変化をもたらしたのだろう
ピラティスが行なわれた《Infinite Crystal World》。瞬間瞬間に色が変わり、点滅のきらめきが美しい‟光のカーテン“の中で、体の軸にアプローチするピラティスは、参加者にどのような意識の変化をもたらしたのだろう
《スケッチオーシャン》で参加者がクリエイティブジャーナリングを行なう光景。描いた海の生き物は、同じ麻布台ヒルズ内にある「スケッチファクトリー」で、缶バッジやハンドタオル、Tシャツ、トートバッグ、ペーパークラフトなどにプリントしてプロダクトとして持ち帰ることもできる
《スケッチオーシャン》で参加者がクリエイティブジャーナリングを行なう光景。描いた海の生き物は、同じ麻布台ヒルズ内にある「スケッチファクトリー」で、缶バッジやハンドタオル、Tシャツ、トートバッグ、ペーパークラフトなどにプリントしてプロダクトとして持ち帰ることもできる

 このように、アート鑑賞がもたらす感覚の刺激と、‟ヨガやピラティス、クリエイティブジャーナリング“といった自己と向き合うプログラムが重なることで、ウェルネス体験はより深いものとなり、同時にエンターテインメントとしての魅力も生まれる。特に、境界なく作品が広がり、鑑賞者の存在によって変化するチームラボボーダレスの没入型アート空間では、その体験が一層際立つ。今回の取り組みは室内で展開されたアート空間での体験であったが、「チームラボ 幽谷隠田跡」のように自然とアートを融合させた作品の世界の中で、身体ごと入り込みながら感覚を研ぎ澄ませるといったプログラムも、また違った魅力を生み出す可能性がありそうだ。いずれの取り組みも、単なるフィットネスやアート鑑賞を超え、体験型ウェルネスという新たなエンターテインメントのかたちを示した、新鮮なプログラムであった。今後の展開に期待したい。

※画像はすべて(「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」麻布台ヒルズ, 東京)提供

麻布台ヒルズ
https://www.azabudai-hills.com/index.html
 

取材・執筆 毛利愼 ✉mohri@ohtapub.co.jp

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