昨年はおそらく、100 年先でも歴史上語られる年となるくらい、われわれにとって“初めての”、“非常に困難な”年であった。これを越えて、新しい価値観が生まれるなどこれまでにないステージに来たのだと考えている。
2020 年は人類がこれまで経験をしたことがないレベルでの経験をした年であったと言えるだろう。大きな意味でのゲームチェンジであり、これまでとは違う新しいステージへ変わるタイミングであったとも言える。今はまだその過渡期で分からないかもしれないが、未来になって「あの年から大きく変わったよね」と将来語られるのではないかと感じている。
このようなかつてない経験は、私たちに半ば強制的な変化をもたらしたのではないだろうか。過去、長く「働き方改革」や「生産性の向上」などと言われていたが、忙しい日々の中大きく変わることはなかった。ところが、未曾有の状況下テレワークの浸透などあっという間に変化が起きた。また、大不況の中で多くのホテルは効率性が重要となり、縦割りの組織の垣根を崩すことができたホテルもある(残念ながら未だに変わっていないところがあるのも事実)。
さらに、「こんな時期だから皆で盛り上げよう」と、これまで口では言っていながらも実現できていなかった地域連携に取り組む施設もあった。それによってエリア全体の魅力が高まり、訪れ滞在する経験がこれまで以上に提供できるようになったところもあるだろう。