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2020年9月11日号 トップインタビュー パームロイヤル ホテル パームロイヤルNAHA 国際通り 代表取締役総支配人 高倉 直久 氏

トップインタビュー パームロイヤル ホテル パームロイヤルNAHA 国際通り 代表取締役総支配人 高倉 直久 氏

【月刊HOTERES 2020年09月号】
2020年09月09日(水)
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那覇でナンバーワンホテルになった秘訣とは

---なぜやめてしまったのですか。 予約の担当者や営業支配人がレベニューマネジメント導入に反対していたので、仕方なく私と姉で予約をやり始めました。そして、みるみる実績が上がってしまった。結局、その方の居場所がなくなってしまったのです。

 レベニューマネジメントを導入すると販売価格が上がるので、通常は口コミポイントが下がります。それを踏まえて、「価格を上げながらCS を高め、口コミポイントも上げるにはどうしたらいいか」を熟考しました。そして、稼働率の向上、単価上昇をしつつ、口コミの効果も上げていくということに成功しました。

 具体的には、例えばこんな取り組みをしました。トリップアドバイザーなどで評価下さる外国人は、日本人と比べ比較的高評価してくださる傾向にあります。なので、まずはトリップアドバイザーのランキングで「那覇のトップ10」を目指しました。主に外国人接客を担当する台湾人スタッフに「極力お客さまとのコミュニケーションを長くしてください」とお願いしたところ、5 点満点の評価を頂くことが多くなりました。接客の長さと満足度には相関があると感じ、それを継続したところ、トップ10 入りしました。今では、那覇の127 ホテル中、ここ2 年ほど一位をキープしています。
 
  給与を上げたことと風通しの良い職場環境を目指したことで、離職も減りました。沖縄県のホテルでは40 ~ 50%が3 年以内に辞めていくのですが、弊社は5 ~7%です。それも自然減です。スタッフが辞めないので人材不足という問題はほぼありません。

---設備投資を毎年のようになさっていますが、それは戦略的な施策でしょうか。
 
 経営が順調に推移していたので、設備投資のための借り入れが容易にできるようになりました。我々が目指していたのはビジネスホテルからの脱却でした。ビジネスホテルは、シングルユース中心なので、どんなに高単価で売り出しても上限が決
まっています。シティホテルなみの収益を目指すには、やはりダブルオキュパンシーが必要です。ラムタワーという別館の増築は、シティホテルへのブランディングを目指してのことです。昨年の夏には、駐車場だった場所をプールにし、“アーバンシティリゾート”というブランディングシフトを進めました。朝食会場は、床を全部張り替え、テラス席も増やして、パーティや研修会ができる空間にしました。

 

コロナ対策はやりすぎなくらいでちょうどいい

---首里城焼失、豚コレラ、日韓問題、そしてコロナ禍という、沖縄観光業界にとって大きなショックが続きました。営業状況については。

 今年2 月ごろまでは、昨年と変わらなかったのですが、3 月に入ったあたりから下がり始め、5 月には休業せざるを得ない状況になりました。6 月は、まだまだ稼働率が15 ~ 20%前半、7 月は50%ほどの状況です。

 雇用調整助成金は60%しか支給をされないのですが、弊社では残りの40%を自社負担し、正社員から掃除のスタッフまで100% 補償しました。

 コロナ対策は、やり過ぎなくらいやらなければならないと思います。その一方で、国内のお客さまが来られたときに「どのように快適に楽しんで過ごしていただけるか」ということを同時進行で模索していかないといけません。

 また、接客を密に行うことは今後、少なくなっていくでしょう。たとえばチェックインは自動化が進むでしょう。それで浮いた人件費でコンシェルジュ業務を厚くしていくほうがスマートではないでしょうか。「接するところは接し、接さないところは接さない」という線引きが必要です。

---最後に、沖縄観光の将来ヴィジョンをお聞かせください。

 私が一貫して掲げているは、自分の造語なのですが、「ダイバーシティアイランド沖縄」です。それは「多様性を尊重する、誰にでも優しい島」という意味です。老若男女、LGBT の方、食物アレルギーの方、障害をお持ち方、どんな方が来ても沖縄は対応できるよ、という島にしたい。そのためにLGBT の方への対応セミナーを行ったり、個人でも講演活動をしたり、コンベンションビューローではアレルギーサポートなど、バリアフリーワーキング委員会の委員長をしたり、いろいろなバリアを取り除くための取り組みをしています。

 とにかく一人勝ちは目指しません。給料も十分に支給して、「ほかの産業よりもホテルは働きやすいし給料も良い」という認知を広め、業界のイメージをよくしていきたいと思っています。ダイバーシティアイランドというヴィジョンを目指し、沖縄全体の底上げを目指したいですね。

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