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進化するビバレッジ「酒のSP」

酒のSP特別編「プロセッコとブランディング 価値を守り、イメージを高める」

【週刊ホテルレストラン2018年07月20日号】
2018年07月20日(金)
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監視と促進、ブランディングの両翼を担う

 そしてプロセッコには“ あってはならないこと” の規定もある。一般にはあまり知られていないが、缶入りおよび樽出し(オンタップ)のワイン、そしてロゼワインもプロセッコDOC としては規定外であり、このほか製品検査や瓶詰、ラベリングや販売におけるルールが存在する。

 
 これらに関する監視や抑止もプロセッコDOC ワイン保護協会の重要な活動の一つだ。プロセッコとして流通している規定に満たない商品や、プロセッコに類似した表示をしたフェイク品については、ブランドを損ねる存在として警告を発したり、罰則を科す場合もあるという。また、こうした基準を満たしたプロセッコを保証するための政府認定シールは2012 年に誕生した。シールには左から、イタリア農林水産省とプロセッコDOC のロゴ、トレーサビリティQR コード、ボトル1本ごとに割り当てられたシリアルナンンバーが記されている。すべてはワインの品質保証のためだ。
 
 そんなプロセッコDOC における攻めのブランディングは、各種スポーツやイベントへの協賛、世界各地で行なうプロモーションの開催で、プロセッコの知名度の向上やブランドイメージの拡張に努めている。それはバレーボールや自転車競技、ヨット競技へのスポンサーシップをはじめ多岐にわたる。また米国では今年、6 月11 日から16 日にかけて「National ProseccoWeek」を開催。期間中には「Prosecco& Pizza Competition」や消費者向けのプロモーションイベントを行なったが、ここでもプロセッコに関する正しい知識や模倣品の存在に対して、本物のプロセッコの体験を強く訴求したようだ。
 
 こうした活動の一環として、日本でのプロモーションが8 月に開催される。イタリア料理に限らず幅広い料飲分野の参画で、プロセッコの親しみやすさとそこに隠れたこだわり、個性が広がる、伝わることが望まれている。
(次号に続く)

産地を訪ねる ④ Borgoluce  ボルゴルーチェ

ボルゴルーチェの敷地を表した地図。それぞれの地域で栽培している植物や飼育している動物が分かる
ボルゴルーチェの敷地を表した地図。それぞれの地域で栽培している植物や飼育している動物が分かる

 スセガーナの南からコッラルトにかけてのエリアを拠点とするボルゴルーチェは、循環型社会の中にプロセッコが存在するようなスペクタクルと環境への高い意識が伝わってくる。この一帯に存在する薄黄色に赤(えんじ色)の帯が入った建物が、ボルゴルーチェを営むロンゴバルトの貴族、コッラルト家にゆかりのあるものだ。1220haの敷地は牧草地や農場、ブドウ園や果樹園、酪農場など、多様な動植物とともに豊かで肥沃な土壌を保ち、生態系を保護している。植物や動物たちを介したバイオディーゼルやバイオガスの生成など、自然エネルギーの活用や循環にも目を見張るものがある。プロセッコDOC トレヴィーゾ「LAMPO」はフルーティーな風味に土地の豊かさやエレガントさを備える。ワインのほかトウモロコシ、大麦などの穀物や繁殖牛、豚による加工肉、水牛のモッツァレラなど食に関するコンテンツも豊富だ。

循環型社会の急先鋒を行くボルゴルーチェにとって、ワインはそこで生み出されるもものごく一部だ
循環型社会の急先鋒を行くボルゴルーチェにとって、ワインはそこで生み出されるもものごく一部だ
コッラルト家のシンボルであるえんじ色の2本のラインの家屋がこの一帯に点在する
コッラルト家のシンボルであるえんじ色の2本のラインの家屋がこの一帯に点在する

バイオガスの収集と活用を表記したチャート
バイオガスの収集と活用を表記したチャート

飼育している水牛から作るリコッタチーズがふんだんに供されるボルゴルーチェのリストランテ
飼育している水牛から作るリコッタチーズがふんだんに供されるボルゴルーチェのリストランテ
提供される料理一つ一つに、ボルゴルーチェの生態系に存在する命をいただいていることを実感する
提供される料理一つ一つに、ボルゴルーチェの生態系に存在する命をいただいていることを実感する

産地を訪ねる ⑤ Tenuta Santomè  テヌータ サントメ

テヌータ・サントメの主な商品ライン。プロセッコはDOC、DOCGともに生産し、土着品種のラボーソによるワインも造る
テヌータ・サントメの主な商品ライン。プロセッコはDOC、DOCGともに生産し、土着品種のラボーソによるワインも造る

 醸造家のアラン氏とビジネスを司るウィリアム氏の兄弟によるプロセッコからは、ファミリーの革新的なDNAが感じられる。高密度プラントシステムや先進的な醸造システムを揃え、ワイナリーの屋根には太陽光パネルが並ぶ。これにより6400kWhの電力を生み出すとともに、年間98.2トンのCO2排出を削減している。彼らの祖父、アントニオ氏から始まったワイナリーは父のアルマンド氏を経て1999年にサントメワインファームを設立。全60haの畑があり、プロセッコは二次発酵に40日を費やし、華やかさと酸のすっきりした味わいが特徴的だ。エクストラドライでもすっきりした味わいで、この6月に静岡で行われたイベントでも好評だったが輸入代理店が決まらずにいる。このほか土着品種のラボーソによるスティルワインなど、ワインづくりには随所に彼らの先進性と土地への思いが垣間見られる。

天井にはソーラーパネルを敷き詰め、自然エネルギーによる環境保全に努める
天井にはソーラーパネルを敷き詰め、自然エネルギーによる環境保全に努める
醸造施設も先進的なシステムを揃え、常にワインビジネスの先端を見据えたビジョンが感じられる
醸造施設も先進的なシステムを揃え、常にワインビジネスの先端を見据えたビジョンが感じられる
兄のウィリアム氏と弟のアラン氏。日本から訪問した優良店チームはワイナリー併設のゲストハウスでワインに関して熱く語り合った
兄のウィリアム氏と弟のアラン氏。日本から訪問した優良店チームはワイナリー併設のゲストハウスでワインに関して熱く語り合った
ゲストハウスにはゲームコーナーも。ウィリアム氏とはサッカーゲームで盛り上がり、アラン氏はビリヤード、サッカーともに“Team Japan”をなぎ倒した
ゲストハウスにはゲームコーナーも。ウィリアム氏とはサッカーゲームで盛り上がり、アラン氏はビリヤード、サッカーともに“Team Japan”をなぎ倒した

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