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Vol.12 2017年新年号 特集Ⅰ「わが社の10年後」  Vol.12  藤田観光㈱ 代表取締役社長 瀬川 章 氏

時代に求められる“温かいサービス”を

【月刊HOTERES 2017年01月号】
2017年01月06日(金)
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藤田観光㈱ 代表取締役社長 瀬川 章 氏

 年々世の中の変化は早くなっています。10 年後にはAI やロボットの活用も進み、リニア中央新幹線の開通に象徴されるように、現在に比べスピードや効率がさらに求められる社会になっていることでしょう。そして昨年10 月に2000 万人を突破した訪日外国人数は2030 年までに6000 万人達成という政府目標が掲げられており、海外、特にアジアとの交流人口が増加して、ホテル業界においてもアジア市場が一体となっていることが予想されます。このような中で国内外のお客様から選ばれ続けるホテルであるためには、「人(スタッフ)」によるFace To Face のサービス力がより一層重要になると考えております。
 
 当社ではサービス力向上施策の一つとして、毎年社内コンクールを開催しております。普段目にする機会が少ないほかのスタッフの技術を見ることもお互いの刺激になり、前年の悔しさを糧に努力したスタッフが次の年に優秀賞を獲得するなど、開催を重ねるごとに技術向上と継承の場として意義のある機会となっています。昨年立ち上げた「女将技塾」では、立ち居振る舞いや作法などを中心としたカリキュラムを実施し、和食や和のおもてなしを通じて日本の魅力を伝えることができる人材、すなわち、日本文化の的確な発信ができる人材の育成を強化しております。こうした施策と合わせ、ワークライフバランスの推進、ダイバーシティ&インクルージョンの推進に取り組み、多様な価値観に対応できる人材力の向上と環境作りを進めております。
 
 また、上海をはじめとしたアジア5 拠点の現地法人や駐在事務所を通じて情報収集や訪日外国人の誘客を強化すると同時に、当社の特色である多様な宿泊ポートフォリオの強化を進めております。ワシントンホテル・ホテルグレイスリーを展開するWHG 事業では、アジア初の直営ホテル出店となる2018 年の韓国ソウルに続き、2019 年には台湾台北でも新ホテル開業を予定しております。ホテルグレイスリーでは全ホテルにコンシェルジュを配置し、地域情報の発信を強化するなど、宿泊特化型ホテルにおいても、人によるサービスで付加価値を高めるための施策を推進しております。リゾート事業では、箱根地区の再開発を行なっており、本年4 月には新しい旗艦施設として「自然と和のおもてなし」をコンセプトにした旅館「箱根小涌園天悠(てんゆう)」を開業いたします。150 室すべての客室に自家源泉の温泉露天風呂を備え、眺望を楽しみながらゆったりとした時間をお過ごしいただくことができます。同地区では今後も再開発を進め、新しい施設やサービスを展開していきます。ラグジュアリー&バンケット事業では、幅広い和食レストランを直営で展開している強みを最大限に生かして海外に出店するとともに、主要施設の新しい展開も模索してまいります。
 
 めまぐるしく変化する世の中にあっても、当社スタッフ全員が共有する「私たちは、健全な憩いの場と温かいサービスを提供することによって、潤いのある豊かな社会の実現に貢献したいと願っております」という社是を大切に思う心は変わりません。時代に求められる“ 温かいサービス” をご提供できるよう、今後もスタッフのサービス力や各事業の魅力を高め、お客様に選ばれる企業であり続けたいと考えております。
 
藤田観光㈱
http://www.fujita-kanko.co.jp/

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