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連載98 桃井文子のオーナー社長のための辛口道場 

連載98 社長! 現状把握に徹していますか?

【週刊ホテルレストラン2019年05月17日号】
2019年05月17日(金)
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 以前、こんな企業がありました。幹部の皆さんが環境変化に対する感度が乏しく、世の中が変化しているにもかかわらず、以前とは変わらぬことを繰り返し、なんら変わらぬ意識と態度で経営していたのです。現場が人手不足で四苦八苦している現状を理解せずに、そんなことには触れず予算に達さぬことについて厳しく指摘していました。残念ながらこうした企業の経営は経営とは言えないと思います。経営とは『正しい現状把握と課題解決、そして明確なビジョンの提示』を設定することです。現状認識が違えばスタート地点が違ってしまいます。現場の気持ちや現状を把握せずにダメな経営をしようとすれば現場が路頭に迷うこととなります。『現状把握』が大きく違ってしまっている例の代表格です。
 
 反対に私が知る企業でこうしたすばらしい企業がありました。社長が全社員と面談を年に2 回ずつ行なっているのです。その企業の社員数は250 名ほど。これは相当の労力がかかるのだと思います。しかし、社長は全社員の声を聞く事に注力され、これを粘り強く継続されてきました。この結果、社長は現場で起こっている課題を明確に理解され、また現在の経営が何を考え、何を思い、どこへ向かおうとしているのかが共有できているのです。こうした社長が現場の声を聞く企業に間違った方向に行ってしまう企業は多くはありません。話を聞いてくれた社員はモチベーションを上げ、社内全体の雰囲気も変化するでしょう。
 
 また、こうした企業の幹部は社長の姿勢を見ています。そのため幹部もよく社員の話を聞く風土があります。経営と現場には信頼関係が生じ、より明るく活気あるモチベーションが維持されています。この企業も現状把握が正しくなされているため、正しい課題解決と明確なビジョンが設定されています。このような企業には自然とコミュニケーションが活性化され社員は『会社は自分たちを必要としているのだ』という感覚を持っており、いきいきと仕事ができるのです。こうした事例のように正しい現状把握を行なうためには社員ひとりひとりとのコミュニケーションが必要であり、こうした話を聞くことが意識を高めることにもつながると感じるのです。
 
 ときどき、こうしたコメントを発する経営者の方がおられます。『私は現場を各本部に任せているから現場の詳細は知らない』と。これは任せているのでしょうか…任せるとは、自分自身で現状や結果を把握した上で依頼することであり、放任して責任から外してしまうことではないと思うのです。あくまでも会社で起こる全ての課題は経営者の責任です。一見すれば権限移譲と言えば聞こえはいいですが、実際は放任であり、現場に投げっぱなしにしてしまっているのであればそれはまちがいでしょう。やはり経営者に最も必要なことのひとつは『現状把握』だと考えるのです。
 
 皆さんはどのくらい現状を把握していますか? 今日の社員の行動スケジュールをどのくらいまで把握していますか? 社員が考える今の会社の課題で優先順位が高いテーマは何ですか? 若手の離職が続いているとすればその原因はなんですか? 先月の残業時間はどのくらいでしたか?…皆さんはどのくらい現状把握されていましたでしょうか? これを機会にぜひ考えてみましょう。
 
 

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