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第一回 伝統は“守る”のではなく“創る”もの 

第一回  日本酒スタイリスト 島田律子氏 ×  ㈱玉川堂 代表取締役 七代目 玉川基行氏

【週刊ホテルレストラン2017年10月06日号】
2017年09月22日(金)
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日本酒スタイリスト 島田律子氏 ×  ㈱玉川堂 代表取締役 七代目 玉川基行氏
日本酒スタイリスト 島田律子氏 ×  ㈱玉川堂 代表取締役 七代目 玉川基行氏

島田 律子(しまだ・りつこ)
タレント・日本酒スタイリスト(日本酒造組合中央会認証)。
日本酒関連の講演・イベントの司会や出演など年間50 本以上をこなす。
TV や雑誌などのメディア出演・コラムの執筆も多く、イベント、飲食店、百貨店、酒器のプロデュースやコーディネートなど、日本酒の魅力を伝える活動は国内外を問わず多岐にわたる。近年、女性ならではの視点から、日本酒の美容・健康効果に着目。日本酒の美肌・美白・アンチエイジング効果を取り入れたライフスタイルを提案し、自らもその生活を実践する。2016 年にはSMILEBREW COMPANY を立ち上げ、「日本の美を日本酒で」をテーマに『オトナの日本酒TASHINAMI 塾』
を主催する。 HP:http://www.smile-brew.com/
 
 
玉川 基行(たまがわ・もとゆき)
1970 年新潟県燕市出身。95 年㈱玉川堂入社。2003 年㈱玉川堂代表取締役社長、玉川堂七代目就任。海外販路の開拓を積極的に行ない、世界主要都市で玉川堂の製品を販売。ルイ・ヴィトングループのシャンパン「KURG」をはじめ、世界的な一流ブランドとの コラボレーション事業も手掛ける。14 年 東京・青山に、17 年東京・銀座「GINZA SIX」に直営店を開業。

 
日本酒造組合中央会認証「日本酒スタイリスト」として精力的に活動を続けるタレントの島田律子氏が、日本の伝統文化、日本酒の魅力を深く伝えることで、海外からのお客さまをおもてなしするホテル、レストランの力を向上させるためのヒントをお届けしていく。
第1回は新潟の燕三条で1816 年の創業から200 年にわたり鎚起銅器製作一筋に歩んできた「ものづくり」の雄、玉川堂の七代目を務める玉川基行氏を迎え、日本が世界に誇るべきものづくり、日本酒づくりの底力について、オータパブリケイションズ代表取締役の太田進を交えた鼎談でお伝えする。
 

 
お客さまの声を直接聞くことで
新しいニーズに気づくことができた
 
島田 日本の伝統文化の一つである日本酒づくりは本当に手が込んでいて、世界一難しい造り方をしています。日本酒の原料である米には糖がないので、糖化させてからアルコール発酵させるという、非常に複雑な工程を経ているのです。一滴も無駄にできないという厳格な日本酒造りは、時代が大きく変わった今でも手造りで行なわれています。
 
 私は玉川堂の工場を見学させていただいたのですが、ものづくりは日本酒造りにも匹敵する素晴らしい現場で行なわれていて感動を覚えました。
 
玉川 玉川堂の銅器は、200 年前からずっと手づくりでやってきています。建物自体も100 年の歴史があって、有形文化財に指定されています。その建物の中で私たちはものづくりをしています。
 
太田 玉川堂はずっとクオリティーの高いものをつくり続けています。30 年ほど前、私は仕事で燕三条を訪れたことがあります。当時から燕三条は世界を席巻していました。玉川堂はトップメーカーで、海外から人々が製品を買い付けに来ていました。
 
玉川 ところで200 年も商売をやっていると、30 年に一度の波で倒産の危機が訪れます。私自身、1995 年に玉川堂に入ったのですが、バブル崩壊があって従業員を半分解雇するという苦渋の選択をしなければなりませんでした。
 
島田 若くしてご苦労されて、玉川さんはどのようにして危機を乗り越えたのですか。
 
玉川 それまで玉川堂は問屋を通して商売をしていました。ただ、問屋を通すとお客さまの声が聞こえなくなってしまうというデメリットがあります。そこで思い切って地元の問屋と切り離した形で、百貨店との直接取引に踏み切ったのです。売り場での実演販売を始めてお客さまの声をダイレクトに聞くことで、私たちは例えばぐい呑みのニーズがあることを知りました。
 
 それまでは花瓶や皿など贈答品を中心に展開していたのですが、エンドユーザーの声に押される形でぐい呑みをつくってみたら、「銅のぐい呑みで飲むとまろやかな味になる」と高い評価を得ることができました。
 
 確かにガラスと銅で飲み比べをしてみると、味がはっきりと変わるのです。そこで百貨店の売り場で飲み比べをしてもらったところ、ぐい呑みが売れ始めたのです。
 
島田 日本酒も酒器によって、味わいは変わってきます。それと同時に、その酒器に込められた日本のものづくりの伝統に基づいたストーリーの素晴らしさを感じながら日本酒をいただくことに、大きな価値があるのではないかと思っています。
 
 味覚だけでなく、五感を使って感じてもらうことが大切で、「この酒器はなんと美しいんだ」と感動しながら飲む日本酒はおいしさが増すと思います。
 

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