ログイン
検索
  • TOP  > 
  • 記事一覧  > 
  • 返金不可だがお得なホテル宿泊プランを不測の事態には公式転売可能、東急ステイの新サービス「リセールプラン」を考察する
レポート 東急リゾーツ&ステイ株式会社「リセールプラン」

返金不可だがお得なホテル宿泊プランを不測の事態には公式転売可能、東急ステイの新サービス「リセールプラン」を考察する

2026年03月12日(木)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「リセールプラン」では宿泊不可となった場合、ゲスト自身が公式販売価格を参考に価格決定をする仕組み
「リセールプラン」では宿泊不可となった場合、ゲスト自身が公式販売価格を参考に価格決定をする仕組み


 東急リゾーツ&ステイ株式会社(本社・東京都渋谷区)は2026年1月27日より、運営する「東急ステイ」ブランドにて新サービスとして「リセールプラン」を販売開始した。
 同社ロイヤルティプログラム「東急リゾーツ&ステイSMART CLUB」の約30万人の会員が公式HPからのみ利用可能な同サービス。通常プランよりも割安で販売する「返金不可の事前決済プラン」として打ち出し、仮に購入したゲスト側に不測の事態が発生し宿泊ができない状況になった場合、ゲスト自身が公式プラットフォームにて価格を設定し該当の宿泊権を出品することが可能なのが主だった特徴とする。
 サービス開始時点では同ブランドの6施設(水道橋店、蒲田店、門前仲町店、札幌店、京都三条烏丸店、博多店)にて展開しており、ゆくゆくは全32ホテルに導入する姿勢だ。
 
 同サービスを開始することになった背景として、日本の宿泊市場における「とりあえず予約」をはじめとしたキャンセル率の高さが挙げられる。日本ではキャンセルポリシーを設けているものの、海外とは異なり厳しく規定されておらず、予約日の数日前にようやくキャンセル料が発生するケースが多い。
 そのため、ゲスト側は旅行計画が定まりきっていない状況下でも、客室の販売価格が安いうちにとりあえずと予約する層も一定数おり、結果、ホテル側は40~50%のキャンセル率を前提とした販売戦略が主流となっている。
 予約したゲストの内、半数のキャンセルが見込まれることから実需を読みづらく、その倍の予約を入れなければ客室稼働を伸ばすことができないため、オーバーブッキングの可能性も日々直面している。
 また、イベントの前売り券や新幹線、飛行機などの旅券とは異なり、先に入金することが主流ではなく宿泊当日に決済のケースが多いため、キャッシュフローの面でも課題を抱えている。

 


 図は水道橋店にて実際に販売開始している同サービスのプラン内容である。いずれも同じ客室タイプのものであるが、同一日程の通常プランよりも割安で販売。また、通常プラン自体がOTAでの販売価格よりも安く、公式最安値としてベストレートの仕様であるため、リセールプランはお得感を演出している。これらのことから、筆者はホテル側にとって以下を同サービスの強みとして感じた。
 
宿泊可能性が高いゲストと、それ以外を部分的にでも区分することができるため、実需を読みやすくなり、在庫ロスやオーバーブッキング、ひいては人的負担の低減につながること
事前決済および返金不可の仕様であるものの、公式HPおよび会員限定プランとしてお得感の演出により、直販率の高まりやロイヤルティプログラムの会員増加に期待できること
事前決済および返金不可であることから、宿泊キャンセルやノーショーの発生を抑えられ、キャンセル料の請求に関する業務負担が低減し運営効率が高まること

 


 同サービスの宿泊権を購入したゲストが、もし宿泊することができない状況になった際のリセールの流れについて見てみると、以下の仕様となる。
 
同サービスで購入した宿泊権は、宿泊前日の23時59分まで出品可能
公式プラットフォームにて出品することができ、出品者と2次購入者が直接のやりとりをすることなく譲渡可能
出品者側が自由に値段を設定することがき、どのタイミングでも変更可。また、該当の客室タイプの同一日の宿泊価格の状況を、参考データとしてサイト内にて提示
出品した宿泊権が購入された場合、その販売価格にシステム利用料として3%を引いたものが電子マネーもしくは「SMART CLUBポイント」に振り込み
 
 何かしらの特需により、同サービスでの初期購入時よりも出品した宿泊権が高い価格にて販売が完了した際、その差額の20%が出品者側に二次流通手数料として追加で付加されることとなる。そのため、転売目的での取り引きを抑えられる仕組みとして機能する。

 出品された宿泊権の購入がなかった場合、そのままゲスト負担となることもあり、公式HPの参考価格よりも安価に出品されることが見込まれる。ゲストにとってはベストレートよりもリーズナブルに宿泊できる可能性もあるため、ホテル・1次購入者・2次購入者にとって三方良しの仕組みと言えよう。
 ブロックチェーン技術を活用した宿泊プランの販売が日本のホテル業界で根付いていない中、システム開発に大規模な投資を経てリリースした同社は同サービスの利用が好調に推移しているという。
 同社 事業統括部 統括部長の白倉 弘規氏
は「ホテル業界では予約キャンセル率の高さによる需要予測の難しさや、直前キャンセルによる在庫ロスなどが長年の課題となっています。本サービスは事前決済かつリセール可能な宿泊権の仕組みを導入することで、実需の可視化やレベニューマネジメントの精度向上、キャッシュフロー改善につなげることを目指しています。今後は東急ステイでの展開を進めながら、新しい技術や仕組みの活用を通じてホテル業界全体への広がりも目指していきたいと考えています」と述べる。
 
原典 https://www.tokyustay.co.jp/resale/
 
―――
文・オータパブリケイションズ 臼井 usui@ohtapub.co.jp

月刊HOTERES[ホテレス]最新号
2026年03月15日号
2026年03月15日号
本体6,600円(税込)
【特集】ホテルの F&Bが“利益 ”と“感動”を両立させる時代へ
【TOP RUNNER】
1 Hotel Tokyo 総支配人 小南 正仁氏

■業界人必読ニュース

■アクセスランキング

  • 昨日
  • 1週間
  • 1ヶ月
CLOSE