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第七講 「料理人の教育論」 第七講  株式会社セルリアンタワー東急ホテル 執行役員 副総支配人兼総料理長 福田順彦氏

一つの流派を免許皆伝したら、 別の道場で型破りな挑戦をしてもらう。

【月刊HOTERES 2017年07月号】
2017年07月14日(金)
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さまざまな料理人がいる中で、一人一人が持つ苦悩と挑戦の数々の物語がある。ホテル・レストランの総料理長が食の業界や若手の料理人に向けて伝えたいことは何か。これまでの長い経験の中で、どのようなことに悩み、どのようなことを考え、どのようにチームを創り上げてきたのか。インタビューを通じて後継者育成に向けた取り組み、マネージメント手法などを探るシリーズ「料理人の教育論」を隔週連載でお届けする。 


株式会社セルリアンタワー東急ホテル 執行役員 副総支配人兼総料理長 福田順彦氏

料理人の育成という役割を担う
東急ホテルグループの人材供給基地
 
―セルリアンタワー東急ホテルは料理人を育て上げ、これまでに多くの総料理長を東急ホテルグループに輩出しています。
 
東急ホテルは50 数年、セルリアンタワー東急ホテルは16年の歴史があります。その歴史の中で、当ホテルは東急ホテルグループにおける人材供給基地としての役割を担っています。主要なホテルの総料理長になってもらうための教育を進め、これまでに10 人を超える総料理長を輩出してきました。日本の場合は終身雇用や徒弟制度内の序列といった旧来の形式も残っていることから、能力のある若い人材を引き上げて総料理長に抜擢するのは難しい面があると思います。また、終身雇用制で組織を作っていくと逆三角形の構造になる傾向が強まってしまいます。やはり上に行くほど人数が少なく裾野が広がっている三角形の方が、人件費の比率の問題も含めて好ましい構造だと言えるでしょう。
 
そこである程度の年齢に達した料理人はふさわしい役職に就いてもらい、セルリアンタワー東急ホテルを卒業して新天地で活躍してもらう仕組みを創ってきたのです。現場の長の立場から言えば、気心の知れたブレーンに囲まれて仕事を続けた方がやりやすいことは言うまでもありません。その楽な道をあえて断ち切って、セルリアンタワー東急ホテルでの仕事に慣れた人たちから巣立っていってもらう。そして東急ホテルグループのために、ほかのホテルで頑張ってもらうのです。
 
こうした構造改革は2001 年から進めてきたのですが、そのおかげで2008 年のリーマン・ショックや2011 年の東日本大震災による打撃を受けてもしっかりと立ち直る、筋肉質なホテルグループとして成長できたのだと感じています。
 

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