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インタビュー  デービッド ブーレイ 

日本の伝統食材に出会い、新たな気付きを得る それらを活かし食と健康、食と科学との結びつきを啓蒙していきたい(後編)

【月刊HOTERES 2019年06月号】
2019年06月21日(金)
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まずはバランスの取れた
環境づくりが必要
 
❒ どうしてもわれわれは悪玉のバクテリアをパワフルにする生活を送りがちです。

 
 好きな食べ物は匂いをかいでも、かんでいても幸せと感じるなら、それを消化している間も幸せが続くという考え方があります。幸せな時間が2時間も続くことを意味します。身体にとって良い食べ物かどうかではなく、好きなものを食べるべきというアプローチです。
 
日常生活の中で、身体のことを考えるのをやめるためテレビを見て過ごす時間も必要だと思います。皆さんはとてもお忙しいですから、走って、走って、走って、そして時々食事をします。こういった行動は、悪性のバクテリアをよりパワフルにさせ、頭痛のタネとなります。
 
何事も過不足な状態に陥らず、まずバランスのとれた環境を作り出す必要があると認識してください。身体のバランスが整えば、より快適な睡眠につながることでしょう。
 
 22 年前、辻さんに連れられて大阪の老舗割烹料理屋「本湖月」へ行ったときのことを思い出します。私はその料理、風味を通じて全身にエネルギーが湧いてくるように感じ、衝撃を受けました。
 
「シェフに味と健康のどちらを優先するか」と尋ねたところ、なんて奇妙な質問をするのだ、というような顔をされたのが今でも忘れられません。
彼は、「健康と味は一体であり、両立が必要だ」と答えました。欧米では、健康的なものは少しだけおいしければ良いというふうに考えますから、これは私のシェフとしての生き方に大きな影響を与える出来事となりました。
 
❒ バクテリアのケアも含めて、健康的な生活を過ごすためのアドバイスをお願いします。
 
 人間のDNA は一つ、二つの違いがあるものの、ほぼ同じと言って良いでしょう。しかし、バクテリアに関しては、10% ほどしか共通したものを持っていません。では、どのようにしてケアすれば良いのでしょうか。よりインディビジュアライズが必要で、これを個別医療と呼びますが、昨今、米国やヨーロッパで大変な人気を博しています。定型化ではうまくいきません。家族皆が同じDNA で、家で同じものを食べていたとしても、それぞれのライフスタイルは異なります。寝る時間や起きる時間といった生活リズムも違います。
 
 私とハーバードの医師のスティーブが「シェフ&ドクター」シリーズで話をしたとき、彼はパワーポイントを使ってスマートフォンの画面から発せられるブルーライトについて説明しました。就寝2時間前にスマホを使うべきではないそうです。ブルーライトによってメラトニンと呼ばれる睡眠ホルモンのレベルが下がると統計データを使って明確に示していました。夜中にスマホの画面を見つめていたら、翌朝は少し疲れが残り、コーヒーが必要になってしまいます。

新陳代謝の競争を激化させる愚かな行為で時間を浪費してはなりません。ただ、ご自身の習慣について、心配しすぎる必要はないのです。それはそのままで結構です。何か新しいことにトライし、それがどのように作用するかを感じてみましょう。私だって、なかなか習慣は変えられませんが、一つ、二つの新しいことならトライできますよ。

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