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トップインタビュー 三井不動産㈱ ホテル・リゾート本部ホテル事業部長 鴉田 隆司 氏  ㈱三井不動産ホテルマネジメント 代表取締役社長 足立 充 氏

――記憶に残るホテルを構築する、を掲げ 2020年度に運営客室数1万室を目指す 三井不動産グループが取り組むホテル事業の在り方

【月刊HOTERES 2016年12月号】
2016年12月16日(金)
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ホテル事業を支えるのは人材
 
ーーこれからの具体的な展開について教えてください。
 
鴉田 全国主要都市にホテルの出店を計画しています。東京では、五反田、日本橋、渋谷などではすでにプロジェクトが進行中です。東京と京都にはこれからももっと増やしていきたいですね。また、福岡県の博多、石川県の金沢はぜひ出店したいエリアです。未発
 
表の案件も含め、1万室の目標に対して90%程度まで案件獲得にめどがついています。
 
 また先ほどお話しした上級新ブランドについては、アッパーミドルとラグジュアリーとの中間的な新カテゴリーとしてハード・ソフトを検討中です。サービスの面でもマニュアル通りの決まりきったものではなく「粋なサービス」が提供できる新しいホテルを考案中です。まさにいま、運営会社と開発担当者が一丸となってプロジェクトチームをつくって侃々諤々進めています。与えられたものを踏襲していくのではなく、皆で知恵を絞って考えて行くプロセスが重要なのだと思っています。
 
ーー近年は千葉県柏市の「柏の葉スマートシティ」のように街の顔としてのホテルの存在感も増してきたのではないでしょうか。
 
鴉田 おっしゃるように三井不動産がかかわる再開発事業にも、ホテルの出店が多数計画されています。こちらもホテル事業の柱の一つにしていきたいと思います。街づくりとしてオフィスや商業施設などを開発して、そこに付加価値の高いホテルを誘致する。それによって街全体の魅力が上がる。東京大手町の再開発にラグジュアリーブランドの「フォーシーズンズ」を誘致するのもその一環です。やはりホテルは街の中でも大きな機能と役割を担っていますからね。
 
 こうした将来像がほぼ見えてきたので、われわれは4 年後の2020 年度には、今とは全く違ったホテル事業グループになっていると思います。
 
ーー運営ホテルがどんどん増えていくわけですが、採用における取り組みや考え方について教えてください。
 
足立 新卒の採用を意識して増やしています。今年の4 月は23 人、来年は約30 人を予定しています。これだけ新規ホテルが増えていることで、ホテル業界を志望する学生からも理解が深まり、当社を志望してくれる学生が増えてきて喜ばしいことですね。その中には数年間現場を経験したら新規ホテルの立ち上げにかかわりたいという具体的な志望をする学生さんもいます。中途採用も積極的に採用していく方針です。
 
 人材募集の際は、新卒はもちろん、中途採用に対しても直接会って社風を伝えています。社員を孤立させず、常にコミュニケーションがとれる会社、スタッフからの発信があれば必ず応える会社であることなど、日本企業ならではのチームワークが当社の最大の魅力の一つであると考えています。
 
ーー多店舗化していく中では、外部からマネージャークラスなどの人材を登用する場合もあると思いますが、権限委譲や既存のスタッフとのマッチングついてはどのようにお考えですか。
 
足立 ホテル業は各ホテルの現場にかなり権限委譲しないと成り立たないと考えています。外部からの人材登用については、当社では社風を理解してもらったうえで権限委譲し、本社は支援に回ろうというスタンスです。例えばロビーでゴスペルコンサートをしたいという提案があれば、どんどん実施してもらいます。また、地域ともかかわっていきたいので、地元の企業とのコラボレーションなども積極的に進めています。
 
 また、外部からの人材登用はラグジュアリー、リゾート、シティなどさまざまな業界情報に接するよい機会ですし、こうした情報を広く共有できるよう人事交流や社内広報にも力を入れています。
 
ーー最後にこれから三井不動産ホテルマネジメントがどのように進んでいくのかを教えてください
 
足立 三井不動産グループのホテル事業として、運営の一翼を担うべく地域に根ざし、お客さまのニーズに応えるホテルを今後も目指していきます。
 
 また、お客さまのみならず、スタッフ自身が仕事に喜びを感じられる企業が当社の理念でもあります。三井不動産グループ全体には、人を大事にする文化があります。スタッフ一人一人に向き合うのが当グループのDNA とも言えます。こうした環境を整えて、ホテル業界でさらに確固たる立ち位置を確立していきたいと考えています。

三井不動産㈱
ホテル・リゾート本部ホテル事業部長
鴉田 隆司
profile
Takashi Karasuda
1988 年三井不動産㈱入社。2003 年同社人事部。07 年同社ホテル事業部にてホテル開発業務に従事した後、10 年より㈱三井不動産ホテルマネジメントにて三井ガーデンホテルズの運営事業に携わる。12 年同社取締役管理統括本部長を経て13 年4 月より現職。

㈱三井不動産ホテルマネジメント
代表取締役社長 足立
profile
Mitsuru Adachi
1982 年 三井不動産㈱入社、ビル事業の開発・運営に携わる。グループ会社㈱三井の森で別荘開発・運営やゴルフ場運営事業などの従事を経てビル事業部門に復帰。その後、三井不動産ビルマネジメント㈱にて、全国展開する三井不動産グループのビル運営事業に携わる。2014 年4 月より現職。

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