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西鉄ホテル クルーム博多/丹青社

ホテルと空間づくりのプロフェッショナルとの 良好な関係性から生まれるリノベーションの成功

2016年09月23日(金)
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開業から10 年という節目の年に、フルリノベーションを果たした「西鉄ホテル クルーム博多(旧西鉄イン博多)」。総客室数503 室を1 室たりとも減らすことなく大胆なリノベーションが行われ、完成後は稼働率をキープしながらADR が2割程度アップしている。この成功を支えたのが空間づくりのプロフェッショナル「丹青社」だ。事業主である「西日本鉄道㈱ホテル事業本部」と彼らがタッグを組んだ「丹青社」に、プロジェクト成功の裏側を聞いた。

座談会メンバー
[西日本鉄道株式会社]
 ホテル事業本部 営業企画部 営業統括課 課長
  長﨑 精治氏
 ホテル事業本部 営業企画部 営業統括課 係長
  垂見 有沙氏
[株式会社丹青社]
 プリンシパル クリエイティブディレクター
  万井 純氏
CS事業部 デザイン統括部
 チーフデザイナー
  石井 康祐氏


After


Before

ブランドやデザインの
コンセプトを固めることが
後々のブレを生まない近道
 
長﨑 今回のフルリノベーションは空調の冷暖フリー化を含めると20億、リノベーションに限定すると14億を投資したビッグプロジェクトでした。当館は平成18年2月に「西鉄イン博多」として開業。以降10年、ホテルのある博多駅周辺は新規ホテルの開業が続き、競争は激しくなってきたものの、インバウンド客をはじめ、ホテル需要も高く、順調に経営することができていました。しかし、この間にビジネスホテルに求める顧客ニーズが多様化し、このまま低価格競争に巻き込まれては?という危惧から大幅なリニューアルに踏み切ることにしました。
 
そんな顧客ニーズの多様化に応えるべく、今回は単なるリニューアルというより、西鉄ホテルとして新ブランド「クルーム」を立ち上げることになりました。つまり、新ブランド立ち上げとフルリノベーションを同時に進めていく、ということになりました。ブランド構築にあたっては別途ブランディングチームを立ち上げて、旅先の我が家のようなホテルとして活き活きと過ごしていただきたいという意図の「Lively Stay」をブランドコンセプトに据え、丹青社さんにはそのコンセプトに基づき、デザインを表現していただきました。関わる人が多い中で、しっかりと意見をまとめあげていただき、思い通りのリニューアルを実現できたと実感しています。
 
万井 ご提案にあたり、まず西鉄様からいただいたブランドコンセプトである「Lively Stay」の解釈について考えました。「西鉄グランドホテル」を筆頭に「ソラリア西鉄ホテル」「西鉄イン」など様々なカテゴリーのホテルをお持ちの西鉄ホテルグループの中で、「クルーム」という新ブランドの価値をゲストの視点で考察しました。そこで出てきたのが「Second home」というデザインコンセプト。しかし、客室数500超えというホテルで、ひとりひとりのゲストの要求にどう応じていくのか?という課題に対して、もっとゲストが自分の価値観で必要なモノ・コト・過ごし方をチョイスできる「スマート」な感覚を取り入れてはということで、「スマート」というキーワードもデザインコンセプトに加えました。
 
垂見 開業10年の節目にはフルリノベーションを完成させる!というスケジュールは決まっていましたが、コンセプトに合ったデザインの構築に時間をかけるべく、おふたりには何度も福岡に足を運んでいただきました。日帰りの予定のはずが、1泊になってしまったりということもあったのでは?と思いますが(笑)、そこに時間をかけていただいたことが結果的に一番の近道になったと思います。

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