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西鉄ホテル クルーム博多/丹青社

ホテルと空間づくりのプロフェッショナルとの 良好な関係性から生まれるリノベーションの成功

2016年09月23日(金)
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Before
After
Before
After

ハードのみならず
ソフトをも向上させるデザインの力。
すべては事業主とデザイナーの
良好な関係から
 
長﨑 バスタブをなくす、というのは大胆なご提案でしたが、言われてみたらそうだな、と。実は今回、リニューアルの基本構想が決まった段階で、数社からプレゼンいただきましたが、丹青社さんを選定したひとつのきっかけがこの水廻りの件でした。よく「こうした方がいいと思うが、それにはプラスオンの予算がかかる」という提案がありますが、丹青社さんの場合は水廻りまで変更するという提案とともに、きちんとしたコストコントロールができていたんですね。こういう感じであれば、この先、具体的に話を詰めていく中でも、諸処変更はあるだろうが、丹青社さんならうまく収めてくれるはずだという安心感や信頼感を持つことができました。
 
新ブランドのコンセプトを決定したのが昨年の4月末、そこからプランを煮詰め直し、10月に着工、3月末には全503室の改装を完了と非常にタイトなスケジュールでしたが、設計から施工まで一貫して丹青社さんに行っていただいたことでスケジュール通りにプロジェクトが完遂できたと思っています。
 
万井 今回はデザインコンペ、施行入札から、設計施工ともに当社をご指名いただきました。当社にはデザイナー・プランナーが230名ほど在籍し、手がける分野も博物館・美術館などの文化空間、オフィス・ショールームなどのビジネス空間、ショッピングセンター・店舗などの商業空間、医療サービス施設・ホテルなどホスピタリティー空間など多岐にわたっています。そのような分野で培った経験を異なる分野で活かし、新しい価値を提供できることが強みだと考えております。今回のプロジェクトでも、ロビー、客室、大浴場とそれぞれの得意分野が異なるデザイナーをたて、各自の強みを活かしながら、全体を私たちがコントロールしました。ロビーの地域情報を紹介するビルボードはビジネス空間デザインで培った展示の手法が、アイランド式のフロントカウンターには空港や物販店のデザインで培ったアイデアが活かされています。
 
また、自社の施工部隊にノウハウと経験をもつ技術者がおり、連携できるというのは非常に大きかったですね。設計段階からチームに加わってもらい、今回のプロジェクトで表現したい“ 想い” というのを最初から共有できていたのです。施工の段階では予算を削る、という場面も出てきがちですが、そこを共有しておくことで、ここは大事だから手をつけず、じゃあ、こっちで何とかしよう、という自発的な姿勢が生まれたと思います。
 
垂見 実際の工期は半年。「西鉄イン博多」は高稼働で推移していましたので、営業しながらのリニューアル実施を条件としていました。かなり無理をお願いしてしまい、不安もありましたが、フロントカウンターを一時、仮設でラウンジに作り、工期を区切って進めるという綿密な施工計画を作っていただき、滞りなく実現できました。
 
石井 まずはお客さまやスタッフの安全、そしてスムースな動線の確保を優先しました。一番助かったのは現場事務所をオフィスの横の会議室に設置させてもらえたことでした。何かあったらすぐにご相談できる場所にいられ、コミュニケーションを密にとることができたのは、納期短縮、コスト削減の両方から見ても良かったと思います。
 
長﨑 お陰さまで我々が考えた新ブランドのコンセプトを確実に表現できたと思っています。クルームとはこんなコンセプトのホテルです、と説明する必要なく、足を踏み入れ、一晩過ごしていただけると理解していただけるものに仕上がったと思っています。実際にレジャーのお客様の比率も増え、以前の2割程度から現在は5割程度へと増加しています。実は今回、表の雰囲気に合わせてバックオフィスも多少リニューアルしましたが、スタッフのモチベーションが上がってきたように感じています。離職率も高く、採用活動も大変な業界ですので、これは目に見えない投資となったと思っています。これだけのハードを整えることができましたので、クルームブランドの価値をより高めていくためにスタッフ一同サービスに磨きをかけていきたいと思っています。今後はそこにさらに磨きをかけつつ、丹青社さんと作り上げたクルームのブランドデザインをしっかりと展開していきたいと思っています。次は2018年に名古屋に新しいクルームが誕生予定です。
 
万井 それは良かったです。ホテルリノベーションで我々に一番求められているのは、改装後にADR が上がり、収益に貢献するというのはもちろんですが、そこにソフト力は必須。関係するすべての方のご協力あってこそ実現するものです。今回のプロジェクトをうまく推進できたのは、関係するすべての方のご協力があったからだと思っております。西鉄様には何事にも気持ちよくご協力いただけ、チームとしての一体感、工事竣工時の感動、「クルーム博多」への愛情を共有できたことに感謝しております。
 

西日本鉄道株式会社
http://www.nishitetsu.co.jp/
 
株式会社丹青社
http://www.tanseisha.co.jp/

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