宿泊産業の競争が激化し、ゲストのニーズが多様化しているいま、ホテルのマーケティングに求められている戦略は、とんがりをつくることである。とんがりで差別化し、そのとんがりに関心のあるゲストが集まる。本連載では、そんなコンセプトが際立ったホテルや宿泊施設を厳選して紹介し、それを支える秘訣を紐解いていく。担当するのは、立教大学観光学部で宿泊ビジネスを学ぶ学生たち。学生のピュアな心に、日本のホテルはどう映り、どう表現されるのか。
都心ではできない体験を通して、多くの人に会津の魅力を感じてほしい
2021年9月、福島県南会津郡南会津町に「星の郷ホテル」は開業した。日々の喧騒を離れ、滋味溢れる食事を楽しみ、良質なお湯でからだをほぐす。そして夜には、ダイナミックな宇宙のパノラマを眺めながら、五感をリセットする…。広大な自然の恵みと南会津の魅力がつまったこのホテルには県内外から多くの人々がやってくる。星をメインとした異色の宿泊施設「星の郷ホテル」の副支配人 馬場友和さんをインタビューした。
----これまでの経歴を教えてください
出身は福島県の南郷村です。地元で育って中学校を卒業後、会津若松の高校に進学、大学は東京の大学に行きました。30歳の時にこっちに戻って来て、今の会社の前身の株式会社inaという会社の「小豆温泉花木の宿」という所で5年くらい働いていました。その後、地域側の都合で他社との合併があり、今の株式会社みなみあいづという会社ができました。私もそちらに移行にすることになり、ホテル南郷や赤岩荘で働いていたのですが、星の郷ホテル設立のタイミングで、こちらで働くことになりました。