前回ご紹介した調査の結果ですが、「客室」、「バスルーム」、「レストラン」すべてに良い感情を抱くような場合であれば、回答者のうち33.5%が他者に推薦したいと思うと回答しており、また37.5%がややそのように思うと回答していました。つまり3 回良い感情を体験した場合、合計回答者割合で約71%の回答者が「望ましい態度」を形成したことになります。
また、「客室」、「バスルーム」、「レストラン」のうち二つに良い感情を抱くような場合であれば、回答者のうち26%が他者に推薦したいと思うと回答しており、41.5%がややそのように思うと回答していました。つまり合計回答者割合で約67.5%の回答者が「望ましい態度」を形成するという結果でした。さらに、「客室」、「バスルーム」、「レストラン」のうち一つに良い感情を抱くような場合であれば、回答者のうち17%が他者に推薦したいと思うと回答しており、29.5%がややそのように思うと回答していました。つまり合計回答者割合で約46.5%の回答者が「望ましい態度」を形成するという結果でした。こで「望ましい態度」を形成するにあたって重要となる良い感情体験の回数については、「推薦したいと思う」と回答した人の割合だけでその比率変化を見てみますと、1 回から2 回で+9%、2 回から3 回で+7.5%、「推薦したいと思う+やや思う」との合計回答者割合の変化を見てみますと、1 回から2 回で+21%、2 回から3 回で+3.5%という結果でした。1 回でも良い感情を体験することが重要であるものの、特にそれが2 回となると大きく望ましい顧客の態度形成に与える影響が大きくなることがうかがえます。夕食提供をするレストランがないような宿泊特化型ホテルであっても、2 回以上別シーンで良い感情を体験する機会を用意することで顧客からポジティブな態度を引き出すことが可能ということになります。
2020年6月12日号 新しい視点「ホテルの価値」向上理論 ホテルのシステム思考
第401回 今を乗りきるイノベーティブ発想(感情にかかる具体的シーン事例)
【月刊HOTERES 2020年06月号】
2020年06月11日(木)