顧客がどのように「好き」・「嫌い」等を含めた「態度」を形成するか、またどのようにすれば顧客の望ましい「態度」を導けるのか等に関して、これまでは顧客「態度」形成の要ようてい諦をホテル体験の文脈等という視点からご紹介しました。これまで、事前の情報が態度を形成する上で非常に重要であることについては、例えばフロントでのスタッフ接遇力や質感の良しあしに対する印象が、次のシーンである客室に対する評価に影響を与えることや、客室内においても、行動パターンがあり顧客が使用する順序にそって質感をコーディネートしておくべきという点、あるいは弊社の調査の結果、チェックインからチェックアウトに至るまで、顧客側は「寂しい」、「元気がなくなる」と感じるケースが多いことから、滞在体験において、徐々に印象が良くなる方を望む傾向がある点等という観点からそれらのコーディネートの重要性をご紹介しました。
以下ではそれら文脈等以外で、顧客のホテルに対する印象やその結果である「態度」を形成するもう一つの大きな力点であり顧客側の「態度」形成から見れば作用点となりうる新たな視点として「感情」をご紹介したいと思います。
北村剛史
Takeshi Kitamura
(株)日本ホテルアプレイザル 取締役/(株)サクラクオリティマネジメント 代表取締役/(一社)観光品質認証協会 統括理事不動産鑑定士、MAI(米国不動産鑑定士)、FRICS(英国ロイヤル・チャータード・サベイヤーズ協会フェロー)、CRE(米国不動産カウンセラー)慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員。ホテル・旅館の不動産鑑定評価会社である(株)日本ホテルアプレイザルの取締役。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科では「ホテル・旅館の人格性、パーソナリティー」をテーマに研究活動に従事