ログイン
検索
  • TOP  > 
  • 記事一覧  > 
  • トランジットグループ、「ホテル阪急グランレスパイア大阪」に「MAISON VERTE」を開業!
毛利愼の外食エンターテインメントVol.131

トランジットグループ、「ホテル阪急グランレスパイア大阪」に「MAISON VERTE」を開業!

2025年03月24日(月)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ディナータイムのおまかせコースから。「L’AS」でも人気のスペシャリテ、‟フォアグラのクリスピーサンド“をシグネチャーメニューに、旬の食材を最大限に活かし、クラシックな調理法と現代的な感性の融合するコースを月替わりで提供していく
ディナータイムのおまかせコースから。「L’AS」でも人気のスペシャリテ、‟フォアグラのクリスピーサンド“をシグネチャーメニューに、旬の食材を最大限に活かし、クラシックな調理法と現代的な感性の融合するコースを月替わりで提供していく

近年、ホテル内レストランやバーの運営が増えているトランジットグループ(以下、TG)。同社がこの度、「グラングリーン大阪」に開業するホテルの中で唯一、国内企業である㈱阪急阪神ホテルズが運営する「ホテル阪急グランレスパイア大阪」の施設内レストランとして、「MAISON VERTE」を開業した。
 
同店は昨春、同社のグループ企業となった南青山の人気カジュアルフレンチレストラン「L'AS(ラス)」運営会社(㈱イートライフ)代表取締役社長の兼子大輔氏が、初のオールディダイニングとして手掛けた「L'AS」ブランドの新業態だ。同氏の世界観が、大阪のイノベーションと共に新たな価値創造の未来都市として位置付ける‟うめきた“に、どのような化学変化を及ぼすのか? 大いに期待されるところである。
 
そこで兼子氏に同店への思い、さらには今後の展望について伺ってみた。
 

「L’AS」シェフ 兼子大輔氏。大阪「ラ・ベカス」、東京「コートドール」を経て渡仏。2012年、南青山に「L’AS」開業。独創的且つ洗練された料理を作りだすことに定評がある。14年、イギリスのグルメ誌‟FOUR“主催の世界の若手ベストシェフに選出。‟ミシュラガイド東京2025年度版“ではビブグルマンに選出された
「L’AS」シェフ 兼子大輔氏。大阪「ラ・ベカス」、東京「コートドール」を経て渡仏。2012年、南青山に「L’AS」開業。独創的且つ洗練された料理を作りだすことに定評がある。14年、イギリスのグルメ誌‟FOUR“主催の世界の若手ベストシェフに選出。‟ミシュラガイド東京2025年度版“ではビブグルマンに選出された

「大阪は若い時分に住み、仕事をしていたことのある場所です。その際は自分の店ではなかったので、いつかこの地で、自分の店を持ち、自身が表現したい料理で大阪のお客さまにアプローチしたいという気持ちがずっとありました。そういった思いの実現も含め、今回の出店はとても嬉しかったですし、非常にやりがいのある取り組みでした。中でも、私は料理をレシピ化し、極力数値化して現場に伝えることを強みとしているのですが、その点を大いに活かせたという意味で、ホテル内レストランという挑戦はホテルブランドを背負う責任も含め、非常にやりがいのある取り組みであったといえます。
 
そういった文脈の中で、朝食においてはビュッフェメニューを充実させた上で差別化を図るべく、メイン料理に他にはない工夫を施した卵メニューを2つ作りました。これらはいわゆる‟卵サンド”と‟エッグベネディクト“と、一見目新しくはない料理をベースにしたメニューなのですが、‟卵サンド”はたまごのピューレのとろとろ感とトーストの食感のアクセントの違いを楽しめ、‟エッグベネディクト”はアボカドとバジルのソースでメゾンヴェルテらしくグリーンを表現し、‟L’ASらしさ”を反映した味わいとテクスチャーを体験していただける一品に仕上げられたと思っています。
 
次に、アフタヌーンティについては個性を出し過ぎずにお客さまのニーズを想定し、そこに期待される‟雰囲気やシチュエーションを彩れる場をご提供する“という視点から、季節感などを反映する形で作っていきたいと考えています。開業に際しては‟春“を感じていただくということで、泉本農園の紅ほっぺを主役にしたメニュー構成にしました。
 
最後にディナーとランチについてですが、ディナーは東京の『L’AS』で展開しているメニューを、価格もそのままの形でご提供することにしました。『L’AS』のランチはディナーと同じものをご提供しているのですが、『MAISON VERTE』はホテル内レストランなので、内容のアレンジや価格の調整をしました。『L’AS』と同じ展開にした件については、なぜ? とその理由を問われることもあるのですが、“美味しい”ものを東京で作り続け、ご支持をいただいたことに自負があります。その姿勢は、大阪のお客さまが食に求められるニーズを鑑みた上でも、受け入れていただける予感のようなものがありました。加えて、若い世代のお客さまに来ていただきたい気持ちもあり、挑戦ではありますが決断しました」。
 

同店ではレストランウエディングも。天井高6.5mと非常に開放的な空間を活用し、チャペル、パッケージに縛られず、新郎新婦の理想を叶えるオーダーメイドのウエディングを兼子氏監修による料理と共に提供していく
同店ではレストランウエディングも。天井高6.5mと非常に開放的な空間を活用し、チャペル、パッケージに縛られず、新郎新婦の理想を叶えるオーダーメイドのウエディングを兼子氏監修による料理と共に提供していく

ちなみに、トランジットグループに加わったことで変化などはあったのだろうか?
 
「料理に対するスタンスなど、料理人としての意識については、いい意味で‟これまでのままでいい“といいますか、自分らしくいることを求めてもらえている環境なのがありがたいですね。その上で、今回の出店もそうですが、トランジットだからこそ挑める出店など、大きなチャンスを得られている点があります。また、これまでよりも更に、料理に集中出来る環境ができました。そこで生まれた余裕がクリエイティブに与える影響は大きいですね」。
 
最後にグラングリーンでの取り組みに対する展望を伺った。
 
「今回の取り組みは、朝食からアフターディナー、さらにブライダルと、さまざまなシーンにおけるメニュー開発に『L’AS』らしさを反映しつつ、おのおののシチュエーションをいかにお客さまに楽しんでいただき、記憶に残る体験にしていただけるかを大切に取り組んできました。万博も控え、大阪の地に多様性に満ちたお客さまがいらっしゃる機会も控えていますし、そういった思いがひとりでも多くのお客さまに伝わるよう精進していきたいと思っています」。
 
「MAISON VERTE」が提示する価格帯は、ホテル内レストランとしてはチャレンジングともいえるリーズナブルな価格だ。こうした面も含めて、TG代表取締役社長 CEOである中村貞裕氏が、「ホテル阪急グランレスパイア大阪」への出店に際し、兼子氏とタッグを組んだ背景には、彼に寄せる大きな信頼と期待があると考えられる。
 
大阪の新たな顔である「グラングリーン大阪」で、兼子氏、そして同店がどんな新風を吹き込んでいくのか? 楽しみだ。


 
MAISON VERTE
https://maison-verte.jp/
 
ホテル阪急グランレスパイア大阪
https://www.hankyu-hotel.com/hotel/respire/granosaka
 

朝食で提供されるスペシャルオーダーのエッグベネディクトとたまごサンド。ポーチドエッグの黄身はトロりと流れ出し、たまごのスタッフィングはふわふわでクリーミーな仕上がりだ。ビュッフェメニューのスクランブルエッグも含め、朝のビュッフェタイムであわただしい中、いずれも丁寧な仕事と秀逸な火入れ具合で提供されていた
朝食で提供されるスペシャルオーダーのエッグベネディクトとたまごサンド。ポーチドエッグの黄身はトロりと流れ出し、たまごのスタッフィングはふわふわでクリーミーな仕上がりだ。ビュッフェメニューのスクランブルエッグも含め、朝のビュッフェタイムであわただしい中、いずれも丁寧な仕事と秀逸な火入れ具合で提供されていた
朝食ビュッフェには、たこ焼きやお好み焼きのほか、どて煮や串カツといった‟大阪らしさ“を感じるご当地メニューも揃っている。これらがある和食メニューのテーブルには大阪の‟だし文化“を楽しんでもらいたいという思いから、うどんだしも大鍋で用意され、うどんだけでなく、お茶漬けとしても楽しめるようになっている
朝食ビュッフェには、たこ焼きやお好み焼きのほか、どて煮や串カツといった‟大阪らしさ“を感じるご当地メニューも揃っている。これらがある和食メニューのテーブルには大阪の‟だし文化“を楽しんでもらいたいという思いから、うどんだしも大鍋で用意され、うどんだけでなく、お茶漬けとしても楽しめるようになっている
ランチコース。体に優しいデリメニューにパン、スープ、デザートが共通メニューとなっており、メインメニューは魚料理1種、もしくは魚と肉料理の2種を選ぶことができるようになっている(※画像内にあるシャンパンはコースメニューには含まれていない)
ランチコース。体に優しいデリメニューにパン、スープ、デザートが共通メニューとなっており、メインメニューは魚料理1種、もしくは魚と肉料理の2種を選ぶことができるようになっている(※画像内にあるシャンパンはコースメニューには含まれていない)
季節ごとに旬のフルーツを用いたメニューで提供していく予定のアフタヌーンティ。「MAISON VERTE」で初めて兼子氏の料理に触れるお客さまはもちろんだが、既存の「L’AS」ファンにとっても‟新たな兼子ワールド“に触れられる嬉しい展開だ
季節ごとに旬のフルーツを用いたメニューで提供していく予定のアフタヌーンティ。「MAISON VERTE」で初めて兼子氏の料理に触れるお客さまはもちろんだが、既存の「L’AS」ファンにとっても‟新たな兼子ワールド“に触れられる嬉しい展開だ
同店のカクテルメニュー開発は、トランジットホールディングスの山口郁也氏が手掛けた。ご当地カクテルのクリエイティブな考案力が今回も発揮され、たこ焼きの味を再現した‟TAKOYAKIマルガリータ(画面左端)“を作りだした。紅生姜、青のり、ソースを使用し、まさに‟究極の大阪カクテル”と呼べる仕上がりになっている
同店のカクテルメニュー開発は、トランジットホールディングスの山口郁也氏が手掛けた。ご当地カクテルのクリエイティブな考案力が今回も発揮され、たこ焼きの味を再現した‟TAKOYAKIマルガリータ(画面左端)“を作りだした。紅生姜、青のり、ソースを使用し、まさに‟究極の大阪カクテル”と呼べる仕上がりになっている
バーは15:00~23:00の間、アイドルタイムなく利用ができ、チェックイン後の一杯からアペリティフ、待ち合わせ、食後の一杯まで様々なシーンで利用可能だ。またグランドメニューのアラカルトから約半分のメニューをバーでも注文ができるようになっており、軽めの食事をとることもできる
バーは15:00~23:00の間、アイドルタイムなく利用ができ、チェックイン後の一杯からアペリティフ、待ち合わせ、食後の一杯まで様々なシーンで利用可能だ。またグランドメニューのアラカルトから約半分のメニューをバーでも注文ができるようになっており、軽めの食事をとることもできる
店舗内観。画面右に見える大きなガラス窓からは梅田駅エリアのビル群が望め、都会的な解放感の中で食事を楽しむことができる。画面左側に見える窓の向こうにも客席があり、総席数150を備え、グループ利用から特別なひとときまで、さまざまなシーンに対応できる空間になっている
店舗内観。画面右に見える大きなガラス窓からは梅田駅エリアのビル群が望め、都会的な解放感の中で食事を楽しむことができる。画面左側に見える窓の向こうにも客席があり、総席数150を備え、グループ利用から特別なひとときまで、さまざまなシーンに対応できる空間になっている
「ホテル阪急グランレスパイア大阪」外観。阪急大阪梅田駅やJR大阪駅から徒歩圏内とビジネスや観光の拠点から便利な立地にありながら、ホテルに一歩足を踏み入れると都会にいることさえ忘れてしまうような、自然と安らぎを感じられる空間が広がる。館内は穏やかで快適に過ごせるデザインなっている
「ホテル阪急グランレスパイア大阪」外観。阪急大阪梅田駅やJR大阪駅から徒歩圏内とビジネスや観光の拠点から便利な立地にありながら、ホテルに一歩足を踏み入れると都会にいることさえ忘れてしまうような、自然と安らぎを感じられる空間が広がる。館内は穏やかで快適に過ごせるデザインなっている
月刊HOTERES[ホテレス]最新号
2025年03月15日号
2025年03月15日号
本体6,600円(税込)
【特集】改めて問うホテルにとってのFBの在り⽅/服部幸應氏追悼
【TOP RUNNER】
ニッコースタイルニセコHANAZONO 総支配人 山邉 知幸氏

■業界人必読ニュース

■アクセスランキング

  • 昨日
  • 1週間
  • 1ヶ月
CLOSE