顧客がどのように「好き」・「嫌い」等を含めた「態度」を形成するか、またどのようにすれば顧客の望ましい「態度」を導けるのか等に関して、前回に引き続き、「感情」等の重要性について今回は具体的なサービスシーンの調査事例をご紹介したいと思います。
前回、顧客が「態度」を形成する際に参照する重要構成要素について、社会心理学における「態度構成理論」をご紹介しました。そこでは「態度」の構成要素に関する理論の一つとして、「3 要素モデル(あるいはABC モデル)」を代表的理論として、ご紹介しました。そこでは「態度」とは、「認知」、「感情」、「行動」から構成されるものととらえていました。ホテル体験に関して、前のシーンの印象が次のシーンの評価に影響を与えるという「文脈」の重要性をご紹介してきましたが、その「文脈」とは上記の態度構成理論におけるシーンの「認知」の在り方に関係します。
北村剛史
Takeshi Kitamura
(株)日本ホテルアプレイザル 取締役/(株)サクラクオリティマネジメント 代表取締役/(一社)観光品質認証協会 統括理事不動産鑑定士、MAI(米国不動産鑑定士)、FRICS(英国ロイヤル・チャータード・サベイヤーズ協会フェロー)、CRE(米国不動産カウンセラー)慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員。ホテル・旅館の不動産鑑定評価会社である(株)日本ホテルアプレイザルの取締役。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科では「ホテル・旅館の人格性、パーソナリティー」をテーマに研究活動に従事