小誌・月刊ホテレス独自調査「全国ホテル客室稼働率」の2025年2月結果がこのほどまとまった。今回、全国95ホテルの平均客室稼働率は76.9%(前年同月74.5%)、ADRは15,001円(同13,825円、8.5ポイント増)、RevPARは11,536円(同10,300円、12.0ポイント増)となった。
本調査区分14エリアにおいて、前月に引き続き約半数のエリアで稼働が苦戦するものの、ADRは全エリアにて伸長をし、南関東を除く13エリアにてRevPARが前年月よりも増加。なお、全国平均のRevPARは2ケタ増の結果となり、2024年9月以降は2ケタ増の傾向が続く。
JNTOの発表で2月の訪日外客数は3,258,100人、2月として初めて300万人を突破し、中国からの訪日が722,700人(前年月45,9463人)と2019年水準に回復しているのが好調の要因の一つと見られる。
このほか、各ホテルからは「旧正月に伴うインバウンド利用客の増加」、「ビジネス小団体がコンスタントにあり、受験需要も多くはないが見られた」、「前年比減少の要因は能登半島地震の復興支援があった」などのコメントが寄せられた。
余談であるが、FITのゲストがタクシーを用いて滞在先に戻る際、運転手にルームキーを見せて移動先として伝えるケースがあるという。エリアで複数店舗を展開しているチェーンなどは特に、ルームキーにブランド名のみの記載であったならば、インバウンド対応として個別のホテル名を追記するのはいかがだろうか。
〈用語解説〉
●OCC(Occupancy Ratio):客室稼働率
●ADR(Average Daily Rate):1日1室当たりの客室平均単価
●RevPAR(Revenue Per Available Room):1日1室当たりの客室売上高
※RevPARは客室販売における最重要指標、RevPAR=OCC×ADRで算出
(例:客室稼働率50%×ADR 20,000円=RevPAR 10,000円)
〈調査区分〉
北海道、東北、北関東、東京フルサービス型、東京宿泊主体型、南関東、甲信越・北陸、東海、近畿(京都・大阪含む)、京都、大阪、中四国、九州、沖縄の全14エリア
〈算出条件〉
●今回の数値は小誌・稼働率調査において「該当月および前年同月」の「客室稼働率およびADR」の計4項目すべて回答のあるホテルのみを用いて算出。そのため、開業1年未満のホテル、前年同月に休館したホテルなどは含まれず。
〈備考〉
小誌「月刊ホテレス」2025年5月号(1・2月分を掲載、4月号時は休載)では連載「全国都市別ホテル客室稼働率」にて、25年2月の速報値(計185ホテルの都市別平均値)を掲載。
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文・オータパブリケイションズ 臼井 usui@ohtapub.co.jp