博多から2大会連続の優勝。次世代バーテンダーの育成進む
若手主体であるというこの大会のもう一つの特徴が「スーパーファイナル」だ。これは、前回大会から採用された各部門の優勝者による“グランプリ決定戦”。近年のメーカー主催コンペティションや海外コンペティションの主流になっている、スピーチやディスカッションを伴うカクテル調製は、日常の姿を現すバーテンダー本来の能力でもある。ショートカクテル部門は吉本氏、ロングカクテル部門はANAクラウンプラザホテル札幌の阿部翔平氏が優勝し、直後のチャレンジに臨んだ。
スーパーファイナルにはHBAの3人の技術審査員のほか、2011年WORLD CLASS世界大会優勝の大竹学氏(パレスホテル東京)、キリン・ディアジオ㈱の西海枝毅社長が審査に加わった。吉本氏は作品のコンセプトを語った後に、材料の使用意図を説明しながらカクテルを作り上げる、明るく華のあるプレゼンテーション。阿部氏も同様に解説しながら、会場の観衆に向けた問いかけなどのコミュニケーションを見せたが、肝心の目の前にいる審査員とのコンタクトに欠けた。
カクテルのクオリティー、プレゼンテーションを含め僅差だったというスーパーファイナルを勝ち抜いた吉本氏は、「前回大会に続き、九州にこの(チャンピオンのグリーン)ジャケットを持ち帰りたいと思っていました。スーパーファイナルは皆さんに温かい目で見守っていただき、やり切った感がありました。優勝を報告できるのがうれしく思います」と喜びを語った。
女性の活躍が目立った今大会。前回ショートカクテル部門優勝の北川育美氏はギャラリー賞を受賞して2大会連続の入賞。ほかネーミング賞や部門入賞にも女性バーテンダーが選ばれた。男性にも実力派が台頭している。ジュニアのステージを卒業して、バーテンダーの頂に挑む次の世代がこうして育まれていく。
カクテル「Grand Jeté ~よろこびで彩る未来へ~」
Recipe
オリジナル・ピーチツリー 25㎖
ドン・フリオ・ブランコ 10㎖
小岩井 イミューズ ヨーグルト 15㎖
トロピカーナ まるごと果実感 パインアップル 10㎖
岩塩 0.22㎖
シェークして、ラディッシュと翼に象ったリンゴを飾る