待つ楽しみと、いま飲む楽しみの両立を目指して
イタリア・ピエモンテ州のワイン生産者「ポデーリ・ジャンニ・ガリアルド」は、同社のワイン「バローロ」の魅力を伝えるプレゼンテーションディナーを東京・三田のテラットリア・エッフェで7 月11日に開催した。
「産地の中で点在して畑を持ち、それぞれのバローロを仕上げているのが魅力」ワイナリーからステファノ・ガリアルド氏を招聘し、ディナーイベントを運営したソロ・イタリアの林茂代表が語るひと言に、この日のテーマが集約されている。ジャンニ・ガリアルドのルーツ、コラ・ファミリーは19 世紀半ばからワイン造りを行なっており、20 世紀の後半に時の当主、パオロ・コラ氏によって本格的なバローロが始まる。1974 年に瓶詰めがスタートし、86 年からはパオロの娘婿であるジャンニ・ガリアルド氏の名によるワイン造りとマスケラ(覆面)を描いた特徴的なロゴが生まれた。90 年には次男のアルベルト氏、98 年には醸造を学んだ長男のステファノ氏が参画。2000 年代に入るとクリュのワイン造りにも力を入れ、今日に至っている。
プレゼンテーションディナーでは、このワイナリーの歴史にとっても重要なファボリータ種による白ワイン「Langhe Favorita Fallegro 2016」を皮切りに、赤ワインは「Nebbiolo d’AlbaSuperiore“San Ponzio”2016」の後、バローロは7 種類に及んだ。複数の畑のブドウをブレンドした「GG 2015」のほか、「Castellletto」「Fossati」「Mosconi」「Lazzarito Vigna Preve」はいずれも2015 年。それぞれに果実味豊かなもの、甘酸のバランスとアフターの抜け感、余韻の長さ、ミネラル感など畑の特徴を表すバローロに対してステファノ氏は「熟成を待つ楽しみもいいけど、市場に出たときにすぐに飲んでもおいしいものでありたい」とワイン造りの指針を示す。
さらに南寄りのカステレットのブドウを主体にした「Serre 2008 ArchivioStorico」、その北東のラッツァリートが主体の「Preve 2005 Archivo Storico」も提供され、それぞれに熟成による価値も存分に示した。
「ワインは人間性が反映されるもの」と語り、醸造において過度に手を加えない。父から引き継いだワイン造りに現代の着想を取り入れ、バローロの多様性を示している。
林茂氏(左)とステファノ・ガリアルド氏