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第四十九回 2019年10月25日号 伝統は“守る”のではなく“創る”もの

伝統は“守る”のではなく“創る”もの 第四十九回

【月刊HOTERES 2019年10月号】
2019年10月23日(水)
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東京の職人たちが手作りする江戸硝子が「KIMOTO GLASS TOKYO」を支える

日本酒造組合中央会認証「日本酒スタイリスト」として精力的に活動を続けるタレントの島田律子氏が、日本の伝統文化、日本酒の魅力を深く伝えることで、海外からのお客さまをおもてなしするホテル、レストランの力を向上させるためのヒントをお届けしていく本連載。今回は東京・台東区で「江戸に生きる硝子屋」として、都内の手作りガラス工場、職人たちとチームを組み新しい世界観を持つグラスを開発する、木本硝子(株)代表取締役の木本誠一氏を訪ねた。従来の問屋から、硝子食器専門のプロデューサーへと会社のポジショニングを変えて、デザイナーや職人などの専門家を束ねることで商品開発に力を注ぐ木本氏。自ら世界中を飛びまわり、「KIMOTO GLASS TOKYO」ブランドの日本酒グラスを、仲間の蔵元の日本酒とともに各国のホテル、レストランにアピール、マーケットの拡大にも尽力している。木本氏と島田氏の3回連続対談の第2回をお伝えする。

木本誠一(きもと・せいいち)

1978年明治大学卒業、三菱電機(株)入社。82年木本硝子(株)入社。90年木本硝子(株)代表取締役就任。2009年に世界ではじめて開発された黒の江戸切子は発売後、百貨店でヒット商品となり話題を呼ぶ。その功績によって、東京の伝統的工芸品チャレンジ大賞最優秀都知事賞を石原慎太郎都知事(当時)から表彰される。その後も国内外の展示会で独自のコンセプトを持つガラス製品を発表し、高い評価を受けている。

島田 律子(しまだ・りつこ)

スマイルブリューカンパニー代表・タレント・日本酒スタイリスト(日本酒造組合中央会認証 )日本酒の魅力を伝える講演・イベントの司会や出演など、年間 100本以上をこなす。TV出演や雑誌などへの執筆も多く、そのエンターテイメント性の高さと分かりやすさから、ファンやリピーターが多い。飲食店や百貨店の売り場プロデュースの依頼も多く、NAGAE+『TRAVEL CHOCO』など酒器を始めとした商品開発や、女性ならではの視点から日本酒の美容・健康効果に着目。日本酒美容を取り入れた日本酒美容コスメ『MAIDEALE』をプロデュース。
HP:http://www.smile-brew.com/

この器で飲みたいと思える日本酒グラスその開発が市場拡大につながると信じて

島田 日本酒グラスの発想は、黒の江戸切子の後に出てきたのでしょうか。

木本 ヨーロッパの人々にとってはヴェネツィアのガラスこそがオリジナルであり、その歴史から各地に伝播していったガラス文化が今も息づいています。その背景がある中で日本のガラスのよさを伝えていかなければならない難しさ、厳しさを私は感じていました。黒の江戸切子は確かに欧米でも人気がありますしそれなりに売れているのですが、もう少し深いところで認めてもらいたいという思いを抱いていたのです。

 6年前に展示会のためにドイツを訪れ、バーで飲んでいるとデザイナーの澄川伸一氏に出会いました。そこで澄川氏が言ってくれたのが「おれも木本さんも酒が好きだけど、自分で『飲みたい』と思うグラスってないよね」という言葉でした。そこで私はぴんと来たのです。その一言がすべての始まりでした。

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