ホテルの宴会部門から料飲、宿泊、総務購買、そして客室管理まで、さまざまな部署を経験してきたのがレジャー産業研究会で運営委員長を務めている茅原 徹氏だ。
現在は供給過多と人材不足で経営陣の頭を悩ませている客室清掃管理事業に携わり、ホテルの良きパートナーとして最善を尽くしている。ホテルに勤めながら大学院で学ぶなど常に果敢に挑戦、30 代にしてレジャー産業研究会の事務局や運営員として裏方全般を担当するなど、レジャー産業研究会の縁の下の力持ちとして活躍し続けている。
㈱パイオニア・サービス
東日本・西日本 相談役顧問
レジャー産業研究会 運営委員長
茅原 徹 氏
〈プロフィール〉1967(昭和42)年生まれ。神奈川県立山北高等学校卒業後、86(昭和61)年菱栄観光開発㈱厚木ロイヤルパークホテル入社。宴会・料飲サービス、総務購買を担当。90(平成2)年湘南ホテル㈱に入社。開業準備室、婚礼セールス・宴会会計、宿泊フロント・客室管理を担当。99(平成11)年㈱グランドホテル神奈中にてフロントサービス・客室管理を担当。2002(平成14)年トラベルジャーナル旅行専門学校にてホテルレジャー学科講師を勤める。04(平成16)年中部南洋ビルサービス客室清掃管理事業所所長兼管理部長を経て、12(平成24)年㈱パイオニア・サービス東日本にてホテル部門統括MGRを勤め、現在、相談役顧問に就任。1998年よりレジャー産業研究会会員となり運営委員長として活躍中。
▶客室清掃の人材不足はホテルの宿泊部門の課題となっています。外国人観光客が増える中で需要は高まっている一方で、人材不足から客室清掃が追いつかない状況です。沖縄のリゾートでは加増させる客室を50%にして運営していると聞きました。
宿泊特化型ホテルが増えている中で客室清掃に関する問題は深刻となっています。当社はネパール人やフィリピン人など外国人も雇用し運営しています。かつてはホテルの宿泊部門も客室清掃に携わっていたのですが、清掃会社に依頼するようになってからホテルスタッフが客室清掃をすることがほとんどなくなりました。ところが最近は人材不足と客室清掃に関わる人件費の問題から、自社スタッフで客室清掃まで行なうホテルも増えてきました。原点回帰でしょうか、私自身、ホテルに勤務しているときはベッドメイキングまで経験していましたので、ホテルスタッフの客室清掃に関する指導を依頼されることもあります。しかし、客室清掃は皆さんが想像しているほど、簡単な仕事ではありません。毎日毎日、まっさらな状態にして安心安全で快適なお部屋を提供するわけですから、フロント兼務のホテルスタッフにとっては心身ともに重労働となり、結局、また清掃会社に依頼するところもあります。また最近はダブルワークとして週末に40、50 代のビジネスマンが客室清掃をしているケースも増えましたね。