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第46回 “風の人”山下裕乃の「THE SHARE」 

第46回  締めるべきところは締める習慣を

【週刊ホテルレストラン2018年10月05日号】
2018年10月05日(金)
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 靴もそうです。簡単に履けるサンダルや事務所内で履き替えているサンダルでランチに出掛ける男性たちの姿もよく見かけます。上はスーツ、下はサンダル。何ともバランスがとれません。女性たちもヒールのあるサンダルを平気で結婚式の席で履いてくる若者も増えているようです。フォーマルな席でサンダル? ちょっと考えればおかしいことに気づくはずです。
 
 最近はジョギングブームもあり、軽快に歩けるジョギングシューズとスーツを組み合わせているケースもあります。ファッションですから他人がとやかく言うことではありませんが、全体的にラクな方へ、ラクな方へと生活スタイルが変わってきていることは事実のようです。
 
 そんな中で、先日、久々に靴の紐を締めました。脱ぐときには靴ひもをほどき脱ぎます。
 
 そのとき、何となくケジメがついて心地よかったのです。一日の始まりの出勤時に“よし、今日も頑張ろう”と思いながら靴の紐を結ぶ。そして家に帰ったら“今日も一日終わった”と靴の紐を緩めて脱ぐ。たわいのないことかもしれませんが、気持ちがシャッキリします。
 
 昔、男性は靴ひものほかに、ネクタイやベルト、カフスなど朝はシャキッと締め、家に帰れば外していました。ところが夏場はクールビス、その延長で秋冬にもネクタイをしない人も増え、胴回りも多少膨らんでもいいような仕立てになっていますので、本来は一日の始まりとして、引き締めるべきところがポカンと空いてしまっているような気がします。
 
 昔はノーアイロンのシャツが少なかったですから、シャツのアイロンがけも女性たちの仕事でした。シワシワとなった生地が高温のアイロンによりシュッときれいになっていくさまは、見ていて気持ちがいいものでした。アイロン仕立てのシャツを冬場に着ると、どことなく焦げた布のにおいと温かさが心地よく感じたものでした。温かさに包み込まれて“寒いけど今日も頑張ろう!”という気持ちにさせてくれました。しかしながら今はアイロンをかける手間がいらず、確かに便利になったのですが、中には形状記憶効果も薄れたようなシワシワのシャツを着ている男性の姿を出勤時に見かけることもあります。一日の始まりがそんなシワシワでいいの? と思わず言いたくなるような光景です。
 
 ウエストは体重の変動を教えてくれるバロメーターです。朝締めるときにちょっと窮屈さを感じたら今日は少々控えめにしようとか、逆にユルユルであればしっかり食べなくてはなど、自己管理することができます。ところがゴムでは分かりません。
 
 こんな具合に締めるべきことを締めるということは、一日の始まりのケジメ、終わりのケジメをつけるという意味で、とても大切なことだと思うのです。昨今、ワークライフバランスという言葉が先行していますが、単に生活の時間を区切るだけではなく、精神的なケジメをつけることも必要な気がします。ホテルマンは通用口から出たら普通の人ではなく、家をでたときから、家に帰るまでホテルマンであり続けてほしいと思います。そうすることが心身ともに健全なホテルマンであり続けられるのだと思います。

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