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インタビュー リック増田氏 

米国リゾートマーケティングコンサルタントからの視点  2020年東京オリンピック・パラリンピック後に勝ち組になるためには

【月刊HOTERES 2016年11月号】
2016年11月18日(金)
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年々増加する訪日外客数は、日本経済に大きなインパクトを与えた。今まで「インバウンド」という言葉は、一部の業界で使われていたが、今はでは新語・流行語大賞を獲得し、一般社会にまで広がっている。同時に、インバウンドマーケットをねらって各社がしのぎを削る。


オフィス・マスダ 代表  リック増田 氏

主要な富裕層インバウンドマーケットを知る
 
太田 単行本『2020 年オリンピック後勝ち組になる日本のリゾート』の発行おめでとうございます。どのような理由から、同書の発行に至ったのですか。
 
リック 急増する訪日外客に対して、まだ日本の観光業がインバウンド対応できていないと感じたからです。一口にインバウンドと言っても、アジア人、北米人、ヨーロッパ人でも旅行パターンは異なります。さらに細かくセグメントしていけば、アジア人といっても中国人、韓国人、東南アジア人でも異なるわけです。また、一般層と富裕層でも旅行や消費パターンは異なります。まずは、そのことを知った上で、インバウンドマーケットの獲得を目指してほしいと考えてのことです。
 
太田 確かに、基本的なことですね。短時間で日本に旅行できるアジア圏の方々と、1 日かけて日本に旅行に来るヨーロッパ圏の方々では、旅行にかける金額も滞在泊数も変わってきます。
 
リック 特に観光業界の方々に知ってほしいのは教育レベルの高いインバウンド富裕層が何に興味を持って日本に来るのか、ということ。「神社」「お寺」「座禅」「侍と日本刀」などをはじめとした、日本文化や慣習に興味を持って訪れています。「爆買い」という言葉が、昨年の新語・流行語大賞を獲得しましたが、これは一過性のものです。長い目で見ると、日本の文化を理解してくれるリピーターを獲得できるかがカギです。
 
太田 文化の中でも、「食文化」がキーになるのではないでしょうか。
 
リック そうです。例えばアメリカ人であれば、すしや天ぷらは健康食(ヘルシーフード)としてとらえています。また、日本の牛丼がニューヨークではやってからは、丼物やお弁当スタイルのテイクアウトも注目を集めています。カナダ人であれば、日本酒が大ブーム。その一方で、カナダ人は移民の国のため、人種によっては宗教的に受け入れられない食材も多くあります。韓国人なら、「薬食同源」というコンセプトが根底にあり、食べるものはすべて薬になるという考え方。それゆえ、韓国人はご飯、スープ、メイン料理、おかず、キムチが必ず並び、バランスのよい食事を心掛ける傾向にあります。たった3 国を例にしただけでも、それぞれの食文化の違いがはっきりしています。こうしたことを知るだけでも、レストランはアップセルを図ることができます。

<書籍紹介>
『2020 年オリンピック後 勝ち組になる日本のリゾート』
~インバウンド富裕層の個人客獲得がカギ~
定価:本体2020 円+ 税
著者:リック増田
目次:
1 章: なぜ私が2020 年東京オリンピック後の話を今(2016 年現在)、本の課題として著者にしているのか
 
2 章: 主要な富裕層インバウンドマーケットの旅行パターン&消費パターン
 
3 章: 外国人が好む日本のリゾート、観光地、レストラン&伝統文化
 
4 章: 各国の一人当たりのGDP とリピートマーケットの関連性
 
5 章: ポテンシャル・インバウンド・マーケットと各国のお家柄&食文化
 
6 章:「 ケース・スタディⅠ」リゾートデスティネーション 由布院(大分)
 
6-A:由布院の現在置かれている環境および将来に向けてのチャレンジと問題点
 
6-B:由布院の魅力をさまざまな要素を通して検証する
 
6-C:どの富裕層インバウンド・リピートマーケットが由布院のイメージと経済に影響を与える要素となるのか
 
6-D:富裕層インバウンド・リピートマーケットが由布院のイメージと経済に影響を与える要素として将来性がある観光資源と観光施設の提案
 
6-E:由布院にて富裕層インバウンド・リピートマーケットに対応する地元の観光業に携わっている方々への英語対応に関するトレーニングの重要性
 
7 章:「 ケース・スタディⅡ」リゾートデスティネーション 湯河原(神奈川)
 
7-A:湯河原のリゾートマーケティングプラン
 
7-B:湯河原の置かれている環境と将来に向けてのチャレンジ
 
7-C:湯河原の現状と将来に向けてのチャレンジ
8 章: 外国人富裕層個人客がリピートしたくなるリゾートデスティネーションの将来ビジョンと成功できる秘話
 
9 章:各リゾート&温泉地が属する地域の地方自治体、商工会、観光課、観光協会、旅館組合、ホテル、旅館レストラン、インバウンドツアーオペレーターなどの組織にオフィス・マスダがコンサルタントとしてお手伝いできる事項

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