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レポート  IT 導入事例2016 

ユーザー訪問シリーズ 『学士会館』編 2世代、3世代と連綿と続くお客さまをつなぐシステムとして

【月刊HOTERES 2016年08月号】
2016年08月26日(金)
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学士会館のメインバンケットルーム。開館当時のイメージそのままに、多目的に利用可能

古き良き東京の雰囲気を残すモダンな建築物が多い神田エリアで、昭和の初めから多くの会員たちの宴会や婚礼を見守ってきたのが学士会館だ。現在では会員以外の一般利用も可能となり、さらに多くの需要が見込まれる中、2014 年、宴会・婚礼運営システムの新たなパートナーとして㈱ユニコーンの「BV Manager」を選んだ。

業務用システムが安心して使えなくなる?
 
学士会館は、国立七大学の出身者を会員とする学士会のクラブ施設として、さまざまな会合や宴集会、婚礼の会場として親しまれ、今年で開館88 年、人間で言えば米寿を迎えた。一般への利用がオープンとなった現在は、当時の面影を残すモダンなたたずまいと、人気ドラマやCM などのロケ場所となったことなどもあり、いまや年間の宴集会数は、大小合わせ約4000 件にも上るという人気ぶりだ。単純に1 日に換算しても10 件を超えるという驚くべき件数だが、そんな同施設の宴会・婚礼をがっちり支えているのがユニコーンの「BV Manager」だ。出会いのきっかけについて同施設を運営する株式会社学士会館精養軒の取締役営業部長の澤田浩氏は次のように語る。
 
「ユニコーンの『BV Manager』を導入する以前は、10 年くらい別のシステムを使っていたのですが、ベンダー側の都合でシステムの開発・更新がストップするとの情報が入りました。大切な顧客情報を扱うシステムですから、将来的に使えなくなるというリスクは避けたかったので、別システムに乗り換えることとなり、以前からセミナーなどに参加していたユニコーンの宴会・婚礼システム『BV Manager』の導入を進めようとなったのが2014 年のことでした」
 
 ある意味、どのホテルや施設にも起こりうるのが、こうした現行システムの継続性の問題だ。特に業務に使う専用システムの場合、決して止めるわけにはいかないので、たとえ現行システムに大きな不満はなくても、もしもの時に備えて、澤田氏のように積極的に他社のセミナーなどに参加して情報を集めておく必要があるかもしれない。澤田氏もそうした活動の重要性を次のように語る。
 
「セミナーに参加するなどの活動を通して、ほかの施設の担当者から導入しているシステムの状況やベンダーの評判などの情報を把握していたので、今回のような予期せぬ乗り換えの際も、迷うことなくユニコーンに声をかけることができました」
 
歴史と伝統ある施設ならではの
難しさを乗り越えろ
 
 今回の導入では、システムの決定からデータの移行・トレーニングを含めた実際の導入まで約半年という比較的短い期間で行なわれたという。それについて澤田氏は「ほかのホテルなどと違い、単一の施設での運営なので、意思決定までが早いのはもちろんですが、国の有形文化財に登録されるほどの歴史ある施設のため、何年かに1 回は休館期間を設け、老朽化した設備などを改修しており、それに合わせる形でトレーニングやデータ移行の時期を設定したので、集中して作業を行なうことができました。また最も重要なインターフェイス画面を、当施設の業務の流れに合わせてカスタマイズしてもらったので、最初からストレスなく入っていけたのも導入時間の短縮につながったと感じています」と短い期間で導入を実現した秘密を明かしてくれた。ほかのホテルの担当者からすれば営業休止中に準備ができるのは、うらやましい限りではあるが、こうしたムダのない導入・運営を実現するのは、学士会館・ユニコーン双方の調整努力のたまものであるのは間違いない。
 
 とはいえ、そんな順調な学士会館とユニコーンのマリアージュにも問題がなかったわけではない。「まず最初の問題はインフラの状況でした。施設のネットワーク環境が充分ではなく、回線速度に問題があり、最も負担のかからない新クライアントでのシステム導入となったのですが、処理が混みいった時はどうしてもスピードが遅くなるようです」と澤田氏は明かす。さらに続けて「もう一つ大きな問題は、二重価格の設定でした。当施設は会員制のクラブからスタートし、その後ビジター利用ができるように変更したため、価格を2種類設定しなければならず、会計時に会員とビジターの識別をして料金を導き出すということが求められたのですが、種々の事情から現在も実現には至っておりません」と施設運営上、重要な部分で改善ポイントを残していると話す。
 
「現在のところ実現しているのは、『BVManager』と会員名簿のデータとの連動にとどまっています。この連動自体も『BV Manager』上に会員名簿のデータベースを持つことはできず、都度別サーバーにある会員名簿へアクセスするという制約があるためこうなっています。当施設の母体である学士会は、こういった情報を厳しく徹底管理しているためこういった処理が必要となってしまいました」と歴史と伝統ある学士会館ならではの難しい対応となっているそうだ。決してシステム的な問題ではないが、この難題へのユニコーンからの次なるソリューションに期待したい。

株式会社学士会館精養軒
取締役営業部長
澤田 浩氏
システムのポテンシャルをもっと引き出し、顧客満足度を
上げていきたいと意欲的だ

世代を超えて支持される
ホスピタリティーを伝える
 
 現在同施設では「BV Manager」と「BV Draft」が導入され、宴集会・婚礼担当スタッフわずか13 名で年間4000 件の案件をこなす業務を強力にサポートしている。これについて澤田氏は「数だけ聞くと本当にこなしていけるのか? と思われますが、案件の半分以上が、これまで当施設を使っていただいたことがあるリピーターのお客さまです。そういった過去の利用履歴を『BVManager』で管理することで、打ち合わせ時間を短縮するなど、業務の効率化を実現しています。またレストラン側にも導入しているので、データの共有と一元管理ができるようになったのも大きかったと思います」とシステム導入のメリットを語る。しかし、その一方でこんな悩みがあることを打ち明ける。
 
「現在、宴集会の予約から受注書の作成、会計までの一連の流れの中で『BVManager』を使っていますが、本来は進捗状況とか、より詳細なデータを入力・管理することができるのに、マンパワー的な問題もあり、活用しきれていないというのが現状です」
 
 今後は、「BV Manager」のさらなる有効活用はもちろん、宴集会部門ほど活用が進んでいない婚礼部門においても新規来館から、仮予約、成約に至るまでの流れを「BV Manager」での管理を進めていきたいという。
 
「現代の婚礼は、昔のようにパッケージ通りに受注することが少なく、さまざまなニーズを把握し、それに対応するために、どんな婚礼が行なわれたかなどの履歴情報を集約・管理しておくことが必須です。さらに当施設ならではの事情ですが、2 世代、3 世代にわたる婚礼利用も多いので、こうした履歴を確実に次世代のために残していきたいと思っています」と澤田氏は同施設ならではのポスピタリティーの継承に「BV Manager」を利用したい考えだ。
 
「もちろんリピーターが多いのは婚礼に限らず宴集会も同様で、そこは会員制クラブが母体の当施設ならではの事情だと思います。以前のシステムでは顧客の過去の利用履歴は抽出できても、利用の詳細までは抽出できなかったので、『BV Manager』を使って顧客のカルテ化をどんどん進めていき、省力化はもちろんサービスとホスピタリティーの向上に努めていきたいと考えています」(澤田氏)。
 今でも驚くほどの宴集会数を、この先どこまで伸ばして行くつもりだろう。
 
BV Managerとは
㈱ユニコーンがホテルの婚礼・宴集会に必要な機能を可能な限り搭載した婚礼・宴集会総合支援システム。業務管理、予約管理はもちろん売上分析など、各種営業データの分析機能までを完全網羅。ホテルの婚礼/宴会部門を強力に後押しする。日本における同部門の業務の流れをきちんと理解し、設計されたシステム構成やインターフェイスと、柔軟なカスタマイズによる対応で、真の意味でのソリューションをホテルに提供してくれるだろう。またホテルの規模やニーズに合わせて、テーブルプラン編集システム「BVDraft」など、関連システムの豊富なラインアップも魅力的だ。
 
〈お問い合わせ先〉
株式会社ユニコーン
東京営業本部 03-6808-1237
大阪本社 06-6943-4560
http://www.atlantis21.co.jp/

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