新型コロナウイルス感染症の脅威を踏まえ、今後の当面の間は、マスクを着用するほか、3 密を避ける、換気を徹底する、接触部位について消毒する等、感染症に対する「予防」としての感染症拡大防止対策の実践が求められています。現状は、この予防について、依然として感染症の脅威が大変大きい状況であることから「できうる限り実践する」必要があります。そもそも感染は、病原体(感染源)、感染経路、感受生体(感染経験がなく、免疫を有していない者)の三つがそろうことで生じると言われています。
近い将来、今回の新型コロナウイルス感染症に対するワクチンが供給され、また治療薬の開発等も進むものと思われますが、一方で、感染経路を有する新たなウイルス感染症(病原体)が出現することで、同様の感染症脅威が改めて生じる可能性があるほか、今回の世界的規模での感染症に対する恐怖心は相当大きく、将来においても引き続いて適切な感染症対策の継続を求める声も弊会アンケート調査でうかがえます。では、仮に現在の感染症の脅威が低下し、これまで同様の日常を取り戻せた後の将来を想定したとして、どこまで感染症拡大防止対策を実施すべきと整理しておくべきなのでしょう。
北村剛史
Takeshi Kitamura
(株)日本ホテルアプレイザル 取締役/(株)サクラクオリティマネジメント 代表取締役/(一社)観光品質認証協会 統括理事不動産鑑定士、MAI(米国不動産鑑定士)、FRICS(英国ロイヤル・チャータード・サベイヤーズ協会フェロー)、CRE(米国不動産カウンセラー)慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員。ホテル・旅館の不動産鑑定評価会社である(株)日本ホテルアプレイザルの取締役。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科では「ホテル・旅館の人格性、パーソナリティー」をテーマに研究活動に従事