弊社がこれまで実施いたしましたコロナ禍での宿泊市場の動向調査結果を簡単に整理いたしますと、感染症に対する恐怖心からの解放を象徴する旅行に対して、今後旺盛な観光需要が期待できるものの、動きはやや鈍く、当初は比較的移動等に恐怖心が見られない20 ~ 30 代から始まり、その後移動手段に対する安全性等も確認、勘案しつつ、40 代から、その後50 歳以上へと徐々に広がりを見せるものと考えられます。旅行移動の距離圏は比較的広く、200km 圏域以上を求める声も多く見られました。その一方で、女性では逆に近場を求める声も多く見られます。ファミリーでの観光が強く見込まれるほか、宿泊施設に対しては感染症拡大防止対策の実践とともに、おいしい食事やおもてなし等これまで同様のサービス提供を求めている様子もうかがえました。
北村剛史
Takeshi Kitamura
(株)日本ホテルアプレイザル 取締役/(株)サクラクオリティマネジメント 代表取締役/(一社)観光品質認証協会 統括理事不動産鑑定士、MAI(米国不動産鑑定士)、FRICS(英国ロイヤル・チャータード・サベイヤーズ協会フェロー)、CRE(米国不動産カウンセラー)慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員。ホテル・旅館の不動産鑑定評価会社である(株)日本ホテルアプレイザルの取締役。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科では「ホテル・旅館の人格性、パーソナリティー」をテーマに研究活動に従事