まだエリアによって差があるとはいえ、底堅い国内需要と急増するインバウンドによって国内の宿泊市場は着実に良化している。一方で、レストランや宴会はどうだろうか。さらなる業績向上のために、これまで通りのビジネスだけでなく、さまざまなチャンスを探ることで新しいビジネスが得られる可能性は大いにあるはずだ。
東京湾に浮かぶ猿島という無人島をご存じだろうか。横須賀の三笠公園から船で約10 分の場所にあるこの島は、夏はバーベキューや海水浴を楽しむ人々でにぎわう観光スポットである一方で、12 月から2 月までの冬期は観光客が大きく落ち込み、島を管理する横須賀市もなんとかならないものかと考えていたという。そこがあるきっかけでブレイクすることになる。世界中のさまざまな遊休施設を探し利用できるインターネット上のサービスを提供するスペースマーケット社が、島を貸し切ってコスプレイヤーのイベントができないかと相談を持ちかけたのだ。結果、そのイベントは募集期間がわずか1カ月ほどだったにもかかわらず、希望者があっという間に定員数を超えてしまった。さらに、そのイベントに興味を持ったさまざまなメディアが「猿島が貸し切りにできる」と大きく宣伝したこともあり、現在ではほぼ毎日のように問い合わせが入ってきている状態だという。
FROM THE PUBLISHER ——太田 進——
可能性は足下に
【月刊HOTERES 2016年05月号】
2016年05月13日(金)