ほかのホテル企業ができない、やろうとしないことをするホテルブランド
----まず、スタンダード・ホテルズについてのご紹介をお願いします。
スタンダード・ホテルズの起源は約 20年前にアンドレ・バラズによってアメリカ西海岸ハリウッドサンセット通りの一画に開業したところにあります。開業時よりホテルがただ宿泊する場としてだけでなく、人種・国籍などさまざまな背景を持つすべての人々がともに楽しめるコミュニティーの場をご提供することを大切にしていました。そして、それがすぐに評価をいただき、話題を呼び、地域コミュニティーの中心的存在として知られるようになりました。
それ以降今日まで、スタンダード・ホテルズは伝統的なホスピタリティーのルールにとどまることなく、独自のデザイン性の表現や、作家やアーティスト、活動家などの文化人を交えたカルチャー・イベント・プログラム、アクティビティーやナイトライフといったさまざまな要素を通して、一般的なホテルでは味わえないスタンダードゆえに夢中になれるようなホテル体験をつくり続けています。
そうした魅力が評価され、現在スタンダード・ホテルズはハリウッド、ダウンタウン LA、マイアミ、ニューヨーク・ハイライン、ニューヨーク・イーストビレッジ、ロンドン、モルディブと7軒のホテルを運営するとともに、タイのバンコクとホアヒン、シンガポール、オーストラリア・メルボルンなど複数の新規ホテルを計画するに至っています。
----たしかに WEBを見るだけでもその際立った個性を感じることができます。競合ホテルに比べ、具体的にはどんなところがスタンダード・ホテルズの強みとなるでしょうか。
スタンダード・ホテルズは、ほかのホテル企業ができない、あるいは、あえてやろうとしないことをするホテルブランドであるという自負があります。ほかのホテルでは不可能なことでも、ユニークな個人の集合体としてチーム力を結集し、予想を超える、はっとするような素晴らしい体験をつくり上げるにはどうしたらいいかを常に考え、知恵を絞ります。そして、他の企業が尻込みするようなことでも、進んでそれをやることでスタンダードならではの個性を発揮し続けています。
ときにそれはホテルの既成概念を超えるサービスの提供につながり、それがスタンダード・ホテルズの大きな特徴とも言えます。例えば、チェックイン・チェックアウトの時間帯は通常ホテルにおいて決まっているものですが、スタンダード・ホテルズではそうした従来のやり方にとらわれず、新しいサービスの一つとして独自の「スタンダード・タイム」を可能にしています。これはお客さまが宿泊をご予約の際、ご自分の好きなチェックイン・チェックアウトの時間を選べるもので、お客さまのご都合に合わせより自由に思い思いのスタイルでスタンダードをご利用できるようになっています。
また、チェックイン・デスクの背面ほかホテル内のさまざまなところにアートを展示するといったように、デザインにも工夫を凝らし、ホテルの隅々で独創性を表現しているのも特徴です。スタンダード・ホテルにはホスピタリティー産業における、他にはない革新性にあふれた存在として、常識の境界線をとどまることなく刺激し続け、それがご評価をいただいています。