国内では 2021年 5月 12日、横浜市立大研究チームによる日本国内の調査の結果、ファイザー製ワクチンで、2回目の接種から1週間後で、英国型変異株に対して接種者の 94%、南アフリカ型変異株には接種者の 90%、インド型変異株には97%、従来型(欧州型)には 99%の抗体が十分な感染予防効果を示したと報告されました。また、5月 27日米国から、短期間しか機能しないのではないかと懸念されていた抗体ですが、新型コロナウイルス感染による抗体は、長寿命の体液性免疫反応を誘発していると報告されました。
日本では 5月 28日現在、ワクチン接種回数は 100人当り8.9回という状況にあります。大規模接種会場設置も進められ、一層接種回数もスピードアップするはずです。ただし、マレーシアは、5月 28日時点でのワクチン接種回数は 100人当り約 8.5回であり、日本とワクチン接種状況が類似していますが、2021年 5月 28日の新規感染者数 8290人となり、6月 1日より全土で大規模なロックダウン措置をとることになりました。オリンピック・パラリンピックを考慮すると複雑になりますので、一旦その影響を考慮外としますと、少なくともイスラエルと同レベル以上、100人当り約 27回以上の接種がコロナ禍鎮圧の契機となる可能性があります。このように、ようやくワクチン接種も世界規模で進み、その後の新たなマーケットにおける宿泊施設が求められるであろう新戦略について、整理するタイミングにきたと考えられます。
2021年7月2日号 新しい視点「ホテルの価値」向上理論 ホテルのシステム思考
第450回 世界のワクチン接種状況と日本の回復シナリオ
【月刊HOTERES 2021年07月号】
2021年06月30日(水)