インバウンドが追い風となったが、 特定のセグメントを重視したわけではない
---まずは、起業してから十年間の変遷、事業展開と油井代表の「都市のスリーピングハブというインフラ」という考え方や、ビジネスの在り方がどのように変わってきたのかをお聞かせください。
基本的には変わっていないです。そもそも我々がインフラになっている認識はまだ全然持てなくて。最終的なゴールというか事業の行きつく先として、ホテルとは別の独自のカテゴリーとしての宿泊インフラを創るというところは全然ぶれてないと思います。
2013 年に2 号店が成田空港にできたあと、引き合いが増えてきました。潮目が変わったことを感じました。その後、3 店舗、4 店舗と続けて出店していき、出店スピードも加速していきました。出店に関しするオファーや土地情報は、多い月ですと、300 件ほどがやってきて、そのなかでソートをかけて出店しています。
2013 年くらいから急速に増えてきたインバウンド需要が貢献したという要素は確かにあります。コロナ禍以前はどの店も利用客の50%ほどはインバウンド客なのですが、これはあくまで結果であって、僕たちとしてはインバウンド客を目的に商売をしていたわけではありません。結果的にインバウンドの人が使ってくれていますが、特定のセグメントを狙ってサービスを作ってきたわけではありません。
---サウナ付きカプセルホテルとしての新ブランド「ドシー(℃)」を恵比寿ではじめた経緯は。
「古いカプセルホテルを再生しないか」という情報を旧友が持ってきてくれて取り組みました。しかし、おかず(新たな付加価値)がないと難しいのではないかということでサウナを選びました。また、ナインアワーズを含めた企業戦略の一環としてサウナを研究したという意味もあります。