「変革2027」を経営ビジョンに掲げ、従来の「鉄道のインフラ等を起点としたサービス提供」から、「ヒト(すべての人)の生活における『豊かさ』を起点とした社会への新たな価値の提供」へと「価値創造ストーリー」を転換していこうとしているJR東日本グループ。ビジョンの推進にあたって、従来とは異なるアプローチによって「メズム東京、オートグラフ コレクション(以下メズム東京)」を創造し、新しい価値を生み出そうとしている日本ホテル。変革を求めて力強く歩みを進める企業で働くことの魅力とは? その一端を垣間見るため、東日本旅客鉄道㈱の森本航氏、日本ホテル㈱メズム東京の生沼久氏の対談をお届けする。
「伸びる」「拓く」「繋ぐ」「磨く」をキーワードに「変革2027」に向かっていく
森本 竹芝ウォーターフロント開発計画「WATERS takeshiba(ウォーターズ竹芝)」はJR東日本グループとして初となる、「駅から離れた複合開発」であり、グループの経営ビジョンとして掲げられている「変革2027」の象徴となる取り組みの一つに位置付けられます。
従来のJR東日本にとっての主軸は鉄道事業でしたが、日本が置かれている現在のマーケット環境を見渡すと、少子高齢化、地方の衰退などを背景にした課題が予見され、JR東日本グループとしてもどのように対応していくべきかを考える必要があります。そのためには、今までなかった発想や切り口によるチャレンジを続け、2027年に向けて変革に向かっていかなければなりません。その決意が経営ビジョンに込められています。
生沼 「変革2027」には、具体的なキーワードも挙げられていますね。
森本 生沼さんのチームが任されているホテルの開発・運営については、大きく四つのキーワード「伸びる」「拓く」「繋ぐ」「磨く」によって方向性が示されています。
「伸びる」では今までにない事業領域に挑戦し、これまでJR東日本グループが出店してこなかったエリアにホテルを開業していく。「拓く」では大規模な街づくりの中でホテルを展開していく。「繋ぐ」では各地にある宿泊施設を起点として、それぞれの地域と密接に連携することで地域経済に貢献していく。「磨く」では既存のホテルをさらにブラッシュアップするとともに、これまで培ってきたホテルブランドにも「JR東日本」を入れてグループ色を打ち出し、全体を融合させようとしています。「変革2027」に向けて、鉄道事業と生活サービス事業の結び付きをより明確にしていくことになるでしょう。
これら四つのキーワードに基づいて、総支配人の生沼さんをはじめとする開業メンバーが「メズム東京」を創っているところです。
地域の活性化を目指すにあたっては、宿泊施設を1軒建てるという「点」のアプローチではなく、もっと広い「面」としての取り組みが求められます。そこでWATERS takeshibaではメズム東京というラグジュアリーホテルとともに文化や商業の施設も創り、さらに周辺の観光施設や行政などとも連携しながら、すべてを同時並行で面として打ち出すことのできる開発プロジェクトを推進しています。
東日本旅客鉄道株式会社 事業創造本部 新事業・地域活性化部門 兼 経営戦略部門 次長 森本 航氏
JR東日本、日本ホテルの応援が
メズム東京開業準備室に勇気を与える
生沼 今回ご縁があって私は日本ホテルに入社したわけですが、はじめにお話を伺ったときに「まさに今、JR東日本グループは変革に向けて舵を切ったのだ」と感じることができました。その動きの中でWATERS takeshibaにマリオット・インターナショナル(以下マリオット)と組んでホテルを開業する。しかも世界中の独立系ホテルのコレクションライン「オートグラフ コレクション」に加盟する唯一無二のオリジナルブランドを展開する。その方向性に、ぐっと気持ちが引っ張られました。本当に新しいことに向かってJR東日本グループ全体が動き出しているという実感が、一気に自分の中に入ってきた感覚がありました。
森本 JR東日本グループはずっと国内中心に展開してきて、これまで外資とのお付き合いもほとんどありませんでした。今回マリオットと提携して個性的なホテルを創ることになったとき、従来から持っている人材の力だけでは限界があるという判断があったのでしょう。そこで経験と実績のある生沼さんにお声掛けをして、入社していただいたという経緯があります。
開業の熱気って独特ですし、特に日本で唯一無二となる存在のメズム東京で熱気のある時間を共有できるというのは、ホテリエ人生の中でなかなか巡り会えない機会です。ホテルの仕事がしたいと考えている方々にはこの絶好の機会に、チーム生沼の面々と同じ船に乗ることをおすすめします。
生沼 森本さんをはじめ、JR東日本の多くの方々、里見雅行代表取締役社長をはじめとする日本ホテルの役員の方々がメズム東京を応援してくださっていることが、私たち開業準備室のメンバーに大きな勇気を与えてくれています。
森本 現在のラグジュアリーマーケットにおいてホテルがお客様に受け入れられるためには、いかに個性を打ち出し、オンリーワンの魅力を磨いていけるかが問われています。だからこそメズム東京は竹芝エリアの風土に合わせたコンテンツを用意して、お客さまをお迎えするホテルを目指していきたいと考えました。
日本ホテル株式会社 メズム東京、オートグラフ コレクション 総支配人 生沼 久氏
ホテルブランドのバラエティーが増えることで成長機会が広がった
生沼 JR東日本グループにはホテルの最前線で仕事をした経験を持つ方々がたくさんいて、それが大きな強みになっています。ホテルの大変さや現場には人が必要ということを理解している人たちが親会社にいて、私たちを支えてくれています。JR東日本グループである日本ホテルは福利厚生もしっかりしていて、安心して働くことのできる環境が整っています。
メズム東京が開業することで、日本ホテルが展開するブランドのバラエティーは増えることになります。クラシックラグジュアリーの東京ステーションホテル、フルサービス型のメトロポリタンホテルズ、宿泊特化型のJR東日本ホテルメッツがある一方で、新しい個性を持つラグジュアリーのメズム東京が生まれブランドの幅が広がる。つまり日本ホテルで働く人たちはホテリエとしてより多様な経験を積み、成長できるのです。
森本 ちょっとしたエピソードなのですが、生沼さんと一緒に釣堀のある居酒屋に行ったことがありまして、釣り糸を垂らすのですが、みんなアジくらいしか釣れないんですよ。ところが生沼さんの釣り針にだけ、なぜか一番高いとってもでかい魚が掛かるのです。
生沼さんは強運の星のもとに生まれていると実感しました。「持ってる」ことってかなり大事で、リーダーが「持ってる」人か否かでその下で働いている人たちの人生も変わります。生沼さんは「持ってる」リーダーだと紹介しておきます。
生沼 「変革2027」を達成するためにも、私たちは思い切ってメズム東京の世界観を創り上げたいし、それを契機に日本ホテルの成長にも貢献していきたい。ひいてはJR東日本グループの新しい事業の後押しにつなげることができればうれしく思います。
森本 ホテルの開業において人材集めは最も大切なことですから、優秀なスタッフがメズム東京に集まってくれていると聞いたとき、「大したものだ」と思いました。生沼さんと私の年齢はほとんど同じですから、同世代として一緒に変革に向かっていきましょう。
現在、メズム東京では新しいメンバーを募集しており、
11月13日~12月25日に個別会社説明会『Casual Talk 2019』を開催中です。
興味をお持ちの方は以下リンクよりご覧ください。
1.GMはポンパドール。でもそれだけじゃない。
メズム東京、オートグラフ コレクションが「“おもしろいホテル”になりそう」な理由 ①
2.GMだけじゃない! 経験も年齢も幅広いさまざまなプロフェッショナルが集結!
メズム東京、オートグラフ コレクションが「“おもしろいホテル”になりそう」な理由 ②
3.プロフェッショナルが集まるメズム東京、オートグラフ コレクション、上司はどんなひと?①
副総支配人 オペレーション担当 春名 桂氏 / マスターキュリナリーアーティスト 養父 直人氏
4.プロフェッショナルが集まるメズム東京、オートグラフ コレクション、上司はどんなひと?②
スターサービスセンター マネージャー 内野 恵久氏 / スターサービスセンター アシスタントマネージャー 左居 稚子氏
5.変革を求めて力強く歩みを進める企業で働くことの魅力とは? メズム東京、オートグラフ コレクション
東日本旅客鉄道㈱ 森本 航氏 / 日本ホテル㈱ メズム東京、オートグラフ コレクション 生沼 久氏(今回)
■ホテル概要
名称:メズム東京、オートグラフ コレクション(mesm Tokyo, Autograph Collection)
運営会社:日本ホテル株式会社
提携先:マリオット・インターナショナル
所在地:東京都港区海岸一丁目10番30号 WATERS takeshiba 高層棟16~26階
オープン日:2020年4月27日
客室数:265室
公式サイト:https://www.mesm.jp/