ツカキグループ 代表取締役社長 塚本喜左衛門氏
Venus Rose Association 代表 田中みどり氏
1867年の創業以来、近江商人の「売り手よし、買い手よし、世間によし」という「三方よし」の理念を掲げ、創業151年目に挑んでいるのがツカキグループだ。きものやジュエリー、毛皮、ブライダル衣裳、補正下着からリーシングなど京都の老舗商社として常にチャレンジし続けている。6代目喜左衛門の襲名を受け、さまざまな活動に取り組んでいる塚本喜左衛門社長に基本的な精神、そして創業200年に向けた思いをお聞きした。
田中 御社は“三方よし”の精神で歩み続け、さらに創業200年に向けて新たな挑戦に挑んでいらっしゃいます。始めにこれまでの歩みをお聞かせください。
塚本 ツカキグループは1867年の創業以来、近江商人の“三方よし”の精神で世の中に尽くすことを第一に取り組んできました。初代、2代目は江戸時代、近江商人発祥の地である「五個荘」に生まれ、田畑耕しながら農閑期は麻織物の仲買をしていました。企業としては3代目の塚本喜左衛門であったことから、3代目を起点に今年で創業151年目となります。早朝から夜遅くまで、てんびん棒を担いで全国を歩き、やがて大八車に反物を摘んで呉服店様への卸に励み、家訓「積善の家に余慶ある」(良い行ないを積むと子孫に幸せがある)をモットーに得意先のご恩、世間のご温情により、少しづつ地保を固めて参りました。関東大震災、金融恐慌、第二次世界大戦などさまざまな出来事の中で懸命の生き残りを図り、お得意様のご縁や師匠である父、そして社員と時代に恵まれ、オイルショックやバブル崩壊、長い不景気の中でもこれまでの歩みを止めることなく今日にいたっております。