運営ホテル数が増えるにつれて、サービスを担う人材の確保と育成が重要課題となっている。セレスティンホテル・プレミアブランドなどの上級ブランドもあり、より高いレベルのホスピタリティーも求められている。同社の教育、人事を担当する杉山亮取締役管理本部長および管理本部総務人事部マネージャーの相場香折氏が、三井不動産ホテルマネジメントとしてのサービススタンダードを維持するための取り組み、魅力ある職場環境の創出について語る。
充実した社内研修制度で
人材を育成
ーー新規オープンなどグループホテルが増えていると思いますが、近年の人材確保の状況を教えてください
杉山 ホテル業界が注目されてきたことでチャレンジしてみたいと思われる方が増え、よい人材に巡り会うチャンスが広がっていると感じています。この機をとらえて優秀な人材を積極的に採用し、しっかりと研修を行なって各ホテルで活躍できる人材に育てたいと思っています。
新卒採用は年ごとに増えていて、来年は30 人ほどを予定しています。中途採用に関しては、以前は基本的に経験者を採用していたのですが、研修チームから未経験でもかなり才能のある方が多いので、もっと注目してほしいという声が上がりました。そこで未経験でもポテンシャルに応じて採用していく方針となり、今年度では未経験者の数が上回っています。
ーー積極的に採用を進められているとのことですが、サービスのクオリティーの維持のためにどのような取り組みを実施されていますか。
杉山 研修体制をしっかり構築しています。4 月には専用研修センターも設けました。また、これまで総務人事部が採用、業務推進部が研修と担当が分かれていた体制を変えて、10 月からは総務人事部が一貫して行なうようにしました。
中途採用の新人研修については、経験者と未経験者に分けて行なっています。未経験者には10 日間をかけてホテル用語などの基本的なことから、モチベーションを高めるための研修、接遇研修などを実施します。各ホテルに配属後も手厚くフォローアップする体制となっています。
一方、経験者は4 日間でホテルシステムの使い方やベーシックマニュアルに基づく接遇の研修を実施して各ホテルに配属しています。
ーー既存スタッフに関する教育・研修はどのようになっていますか。
相場 既存のスタッフ向けの教育・研修プログラムは、接客スキルなどホテリエにとって必要な知識を習得する基礎能力とキャリアアップするための人材開発の部分で構成しています。人材開発は職種に応じた研修になっており、プレゼンテーションやマーケティング研修などもあります。このような必須研修が月に2 〜3 回あり、その際には同じ役職の方々が集まりますので研修以外にも情報交換する機会にもなっています。
こうした必須研修以外にも希望者を対象にした研修があり、やる気次第でスキルを身につけることができる仕組みが構築されています。