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CT Spirits Japan

新しい時代を切り拓くのに必要なこと: 江刺幸治氏&小川尚人氏スペシャル対談

2023年09月24日(日)
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コンペティションは自身の実力を試す場だけでなく、社会関係資本を豊かにし、キャリアを拓く機会としても重要である。タレント性が求められるような社会の中、先達はどのような苦難や挑戦を経て自身のキャリアを拓いて来たのだろうか。
 
カンパリグループの日本展開を担うCT Spirits Japan 株式会社(シーティー スピリッツ ジャパン 株式会社)は「カンパリグループ・カクテルグランプリ2023」を開催する(応募期間:10月1日(日) 23時59分まで)。今回の大会では日本を代表するバーテンダーが「セミファイナル&ファイナル大会」の審査員を務めることもあり注目されている。
 
本大会の審査員を務め、過去カンパリグループが主催する大会にて日本代表となり世界に挑戦した「SPIRITS BAR Sunface」の江刺幸治氏と、「CT Spirits Japanブランドアンバサダー」の小川尚人氏に自身のキャリアと大会に挑戦することについてお話頂いた。

左:江刺幸治氏 右:小川尚人氏
左:江刺幸治氏 右:小川尚人氏


▶バーテンダーになったきっかけは何だったのでしょうか?
 
江刺 元々自分のお店をしたいという想いはありました。高校時代から自分で何かを動かしていきたいという気持ちがあり、高校を卒業して調理師専門学校に進もうと思っていたのですが、両親の反対もあり大学の経営学部に進学しました。在学中に経営につながることを学びたくて牛丼チェーン店でアルバイトを始めました。なので、僕のカウンターデビューはそこなんですよね。
 
2年程経って、もっと接客や様々なものを作れるようになりたいと思い、地元のダイニングバーで働き始め、調理や接客、更にドリンクにも携わるようになって、お酒の面白さにのめり込んでいった感じですね。社内のカクテルコンペで優勝したのもきっかけだったかも知れません。そのお店の系列店がバーも経営していたので、料理からお酒に段々と移って行きました。
 
卒業後は飲食店の経営を行う企業に就職をして研修で様々なお店を回っていたのですが、学生時代にアルバイトをしていたバーの店長が辞めるというお話が舞い込んできて、いいチャンスだと思い出戻りをしました。23歳で1回店長になっているのですが、独学でやっていたこともあり、一度修行し直さないとダメだと思い、オーセンティックバーで勉強させて頂きました。
 
小川 僕は小さなころから美術に触れることが多く、いわゆるアーティストになりたいと思っていました。どのようなアーティストになるのかイメージは出来ていなかったのですが、歴史が好きだったこともあり美術史の勉強をしたいなと思って海外に行きました。
 
現地ではダイニングバーのようなところでアルバイトをしていました。仕事終わりにカクテルに触れる機会があって、クラシックカクテルのバックグラウンドとかを知っていくにつれて面白さを知りました。家庭の事情で帰国することとなり、何をやろうかなと思った時に興味のあったバーで働いてみようと入ったのがきっかけですね。
 
江刺さんと似ているかも知れないのですが、入ったバーが何店舗かあるようなバーだったので、ポストが空くと順に繰り上がることもあり、僕も25歳で店長、26歳でマネージャーを経験しました。独学に近いところもあったので、当時のNBA神戸支部長をされていたBar elixir de longue vieの門を叩いて弟子入りして修行をしていました。
 
江刺 江刺の真似されましたかね。
一同 笑
 
▶お二人とも今のお話で、若くして店長を経験されたとのことですが、当時の苦労はありましたか?
 
江刺 めっちゃ白髪増えましたね…(笑)。
小川 めっちゃ痩せました…(笑)。

江刺 大変だったのは、お客様が大体目上の方だったことですかね。それなりに繫盛はしていたのですが、若いからこそノリや勢いのような楽しさがある反面、商品に絶対的な価値や自身があるというわけではなく、段々とこれで良いのだろうかという疑問が上がってきて修行し直さないと、というのがありました。苦労は多かったですが、今となっては楽しい思い出しか残ってないですね。

小川 日本に帰ってきてすぐにバーテンダーを始めたので、社会人経験がないこともありマナーの部分では怒られることもありました。店長やマネージャーとしての苦労もありましたが、それよりも、お客様から頂くカクテルへの指摘に対して勉強していきたいと思う中、どのように勉強すればもっとカクテルの味を向上させることができるのかという葛藤が辛かったですね。だからこそ学び直しをきちんとしたいという気持ちが強かったですね。
 
▶キャリアプランについてはどのようにお考えでしたか?
 
江刺 店長になってから3年くらい経って、一人旅や自分探しではないですけど、ちゃんと自分と心の中で正座して向き合ってどうなりたいかと問いかけた時に、やっぱり独立したいよねという結論が出たので、もう一回修行し直そうというふうになりましたね。
 
僕は結構運命論者的なところがあって、独立のタイミングはいずれ来るだろうとおぼろげながら思っていました。そのタイミングが来た時に、ちゃんと自分の武器なり手札なりを持った状態になっていることが大事だと思っていました。
 
▶お二人とも「カンパリグループ」のコンペティションでの優勝経験がおありですが、優勝して一番「学んだこと」、一番「自身の変化として表れたもの」はなんでしょうか?
 
江刺 あなたすごくあるでしょう?人生変わったでしょう?

小川 そうですね…、変化というと、少し先程のキャリアのお話にも重なるのですが、自分も独立しようとは思っていました。そのタイミングで優勝させて頂いたのですが、気持ち的にはもう一度学び直さないといけないと感じていました。優勝したからって来てくださったお客様に「チャンピオンカクテルは美味しいけど、ジントニックやハイボールは美味しくない」と言われたら負けだと思っていたので、もう一度初心に帰るではないですが技術やモチベーションを更に高めることはしっかりと考えていました。

次の大会でチャンピオンが生まれるまでの期間で何ができるかということを意識していました。優勝をきっかけにしてカンパリ社との関係も深くなり、名前が出るからこそ、他のメーカーさんとかにもお声がけ頂ける機会も増えました。出来るだけ全部断らずに何でもやろうと思ってやってきました。その結果、ブランドアンバサダーという形で今はやらせて頂いています。
 
根本では、先程お話したアーティストになりたいというところに全て繋がっています。Bar elixir de longue vieの門を叩いたのも、カクテルの美味しさだけでなく、とても職人気質な方だったので、カクテル技術だけでなく向き合い方を教えてもらいたいと思ったからです。今ブランドアンバサダーという仕事をさせて頂いていますが、ブランドアンバサダーはバーテンダーではないと思われるかも知れません。僕自身はバーテンダーだと思っていまして、表に出ることも多いですし、お酒を広めたり、お客様と対話するというところは変わりません。バーテンダーの中でアーティストというジャンルを創って行きたいという流れからは逸れていないと思っています。
 
▶江刺さんは様々なコンペティションでも成績を残されていますが、いかがですか?
 
江刺 僕の中では、バーテンダーの仕事というのは生産者の想いを飲み手に伝えるというふうに理解している部分があって、極論で言ってしまうとそのままでも美味しいじゃないですか。それに手を加えるというのはどうなんだろうかと昔は感じていました。でも、お酒を知れば知るほど、その生産者を知れば知るほど素晴らしさを感じる一方、メリットやデメリットも理解できてくるんですよね。そのデメリットを上手く補うためにこちらが手を加えるとか、更に生産者の想いを伝えやすくするために手を加えるというのはありだなと思うようになって来たんです。それをするのであれば、カクテルコンペティションでそれが正しいのかどうか審査員の方にジャッジして頂くのも一つの手だなと思って、コンペティションに参加するようになりました。
 
優勝した時に何が変わったかというと、周りの目ですよね。僕の中ではそんなに変わったつもりはないのですが、ちやほやしてくれたりとか、人脈もバーっと日本だけに限らず、世界中のバーテンダーとも繋がりが広がったので、それをどのように活かしてくかという欲求が生まれてきたという変化はあるかも知れないですね。
 
先程の小川さんのお話であった、チャンピオンの期間に何ができるかということで、初めて優勝した時には千葉から東京に進出をしました。自分の広がった世界をまた広げ、どんどん挑戦していくために日本の中心で挑めるようにきっかけを頂いたという感じですね。
 
小川 今江刺さんの話に出た繋がりという意味で、知り合いが増えるのがコンペの財産だと思いますね。

江刺 本当にそうなんですよね。世界が広がる、知り合いが増えるというのは一番の財産ですよ。

小川 普段関わることができないバーデンダーさんと関わることができる。今だったらSNSで連絡が取れるので、何か情報交換であったりも出来ますし、モチベーションを高めるためにも、そうした挑戦し続ける方々と知り合いになって切磋琢磨できるところが一番楽しいと思います。未だにコンペに一緒に出たバーテンダーさんとは仲いいですし、一番の財産かなと思います。

江刺 強敵と書いて「とも」ってやつだな(笑 )。

▶確かに社会関係資本の充実という意味でも参加する意義がありますよね。繋がりという意味では、優勝して企業さんとの繋がりも出てくると思いますが、いかがですか?
 
小川 今CT Spirits Japanブランドアンバサダーですが、そのブランドを用いてカクテルをつくるということは、言い換えると商品価値がいかに出るかということだと思います。一つのブランドに対して幾つものカクテルをつくったり、イベントに応じて使い分けたりというのは、すごく難しさもありますが大切なことだと思います。カクテル一つ一つに商品価値を持たすためにも、そのブランドに対しての知識であったり、例えばシェイクでもスローイングといった変換させる技術を突き詰めることが多くなりました。

▶小川さんのキャリアのように企業側で活動するというのは、どのように映りますか?

江刺 世界的には割と一般的だったりするんですが、日本では初めてだと思います、カクテルコンペで優勝してその会社のアンバサダーになるというのは。しかも、お店をしながらではなく企業に就職して社員となってやるのは最初なんじゃないですね。日本のバーテンダーの一つの形として新たなものを提案してくれたというか、パイオニアとして頑張っているなって…頑張ってるよ!

小川 「パイオニア」という言葉を使って頂いて。
 
江刺 今回の(カンパリグループ・カクテルグランプリ2023の)テーマだね(笑)。年下ですけどすごい尊敬に値するところではありますし、こういう仕事をやりつつも自分はバーテンダーだよ、と明言しているところは同じ仲間として応援したいなって思いますね。
 
小川 嬉しいです。
 
▶小川さんからすると、バーテンダーとしての場面もあれば、メーカーとしての場面もあると思うのですが、かしこまったりしないものですか?
 
小川 ありがたいことに、無いって言ったらおかしいかも知れませんが…
江刺 今日だって一番最後の登場でしょう?
一同 笑

小川 自分の仕事をしていて、もっと様々な方と関わっていきたいと思うのですが、バーテンダーって色々な思想や信念をもっていらっしゃるので、そこに簡単に踏み込めないという意味で畏まる部分はもちろんあります。でも、ありがたいことに、仲間として受け入れて下さっているので、そのあたりはありがたく甘えています。
 
▶江刺さんが優勝された際は、小川さんと一緒にイタリアに行かれたとのことですが、現地での気づきや学びはありましたか?
 
江刺 買い物しかしてない(笑)。
一同 笑

小川 江刺さんは面白おかしく言って下さってますが、買い物から考えるというのも一つのメイントピックではあったんですよ。海外に行って、普段スーパーマーケットでどのようなものが手に入って、現地のバーデンダーが何をどのような形でつくっているのかを垣間見れるので。
江刺 良いこと言ってくれる!

小川 やはり現地から見えてくるものもあって、ローマのバーでアペリティーボをやっているお店では、ビュッフェ式で食べ物が並んでいて、一杯オーダーしてくれたら食べていいよって。

江刺 そうそう。カクテル頼んだら、ビュッフェ食べ放題なんですよ。

小川 あれは後々聞くと、生ハムだったり日本だと輸入商品は高くなるじゃないですか。現地ならではの価格で反映できるという話は聞きましたね。また、日本のビュッフェほど手の込んだものではなく、シンプルにフレッシュな素材を用いて対応しているという文化の一つは見えましたね。

江刺 あとはバーホッピングやってね。そこのバーテンダーとの交流ができて、また世界が広がってという部分もありましたね。

小川 他にも、日本と海外のバーのスタイルの違い、例えば店舗のスケール感も大きいですし、それをいかにオペレーションしていくかという違いもよく分かりました。どちらが良い悪いではなく、海外であれば大体メニューがあり誘導してオペレーションに繋げていくというところもありますが、日本ではメニューがないお店もたくさんありますし、だからこそ自由度が高いというアドバンテージでもあると思います。システム的に見るという点では非常に勉強になりました。

江刺 違いを知るっていうことが大事だとやっぱり思いましたね。向こうには向こうのメリットがありますし、日本には海外ではできない強みみたいなものもあるわけですよ。フレッシュフルーツもその場でカットしてやるというと、海外だとオペレーションが厳しいと思いますよね。日本だとできるという強みを知ることによって、またそれを活かしていくこともできるということですかね。
 
▶海外のお客様が多いと、海外ではどうなのかを知るのも大切ですよね。
 
江刺 そうですね。ネグローニやオールド・ファッションドなど流行っているのも、自分が出しているものはグローバルスタンダードなんだろうかというのを知るにも、実際現地に行ってみないと分からない部分が多かったので、それを知れる機会になったのはありがたいですね。基本を知るということがやはり大事なので、基本を知ってそのリスペクトで自分のものを創り上げていくってことができるようになりますよね。

小川 それぞれの国に食文化にも歴史があって、それが積み重なって今の文化ができていますよね。イタリアで言えば、今回のカクテルコンペのテーマの一つでもある「アペリティーボ」ですが、携帯とかで離れていても連絡が取れる時代ではありますが、早い時間に仲間と一緒に飲んでコミュニケーションを取る場にお酒があるという文化、日本の居酒屋で飲むのに近いかも知れませんが、似ているようで違うというもの感じました。また、同じイタリアでも北と南でも違うのを肌で感じられたのは面白かったです。

江刺 あと、生産地を見れたのも良かったですね。カンパリのミュージアムだったりを見て、あんなにカンパリがアートに力入れているとは、正直僕そこまで知らなかったです。さすが、アーティストですね。
 
小川 アーティストブランドですね。
 
江刺 優勝のインセンティブとしてもとても魅力的なものでしたね。
 
▶そうした経験を経て、今回「カンパリグループ・カクテルグランプリ2023」では審査員を担当されるということですが、挑戦者にどのような期待をされているのでしょうか?
 
江刺 僕らの知らないことをを知りたいよねという感じですね。考えつかなかったことやそういう捉え方があったんだというような部分を見せて頂けると嬉しいですね。今回のテーマが「パイオニア・ザ・ニューエイジ」ということは、予測不能な未来のことであったり、未来は人がそれぞれどんな未来を創造するかによって様々な可能性がある、またどの部分を捉えるかによっていろんなテーマをつくることができるということなので、僕らが10年後20年後を描いていた未来とは全く違う未来の道筋を示してもらいたいですね。
 
小川 同じくなんですけど、ブランドアンバサダーという立場から申し上げると、やはりブランドの背景を知った上で、ブランドいかに次世代に繋げていくかという工程も見たいですね。
 
あと、よくコンペに申し込みたいという方からアドバイスを求められる時にお伝えしているのですが、創りたいものを創るのではなく、テーマとブランド、今自分ができる最善は何で、何を表現したいのか、一つの作品として全てを創り上げて欲しいとお伝えしています。
 
今回「パイオニア・ザ・ニューエイジ」というテーマと付けたのは私ですが、コンペに挑戦される方は若手中心だと思うんですよね。その方たちが、次に繋げていきたい、自分たちはこういうことをやりたいんだと言う熱意を見せつけ欲しいですね。
 
江刺 歳取ったねぇ(笑)。
一同 笑
 
小川 今回の審査員は、色々と次世代若手を育てていく方々ですが、先輩に勝てないとかではなく、下剋上するぞ!くらいの気持ちで、自分がこういったカクテルを次に繋げていくんだという気持ちで是非臨んで頂きたいです。
 
▶お二人もまさしくパイオニアですよね?
 
江刺 そんなことないです。でも、そう映っちゃいますかね?(笑)
筆者 映っちゃいますねぇ。
一同 笑
 
▶実際パイオニアとして、新しいことに挑戦したり、キャリアを切り拓いてこられたわけですが、今後、新たに挑戦したいことやビジョンはありますか?
 
江刺 挑戦したいことは一杯ありますね。とりあえず、今挑戦中のことが一つあります。自分のブランドのジンを今作成中なんですよ。実は既に二つ発売しているのですが、普通のジンとは違ってカクテル専用のジンでして、一つ目はジントニック専用、二つ目はネグローニ専用、今三つ目を別のジンカクテル専用で開発中なんですよ。
 
人を育てるとはまた違ったベクトルで日本のバー業界を発展できないかなというのは何となく思っています。人を育てて、美味しいカクテルをつくるというのは大変な部分がある。重要なことですが、カクテルをもっと身近にできるようにすることで、日本のカクテル文化の発展に寄与できるといいなというので挑戦しているところですね。
 
小川 会社ではなく個人的に挑戦したいということであれば、江刺さんと同じくお酒をつくってみたいというのもありますが、グラスと器、それに伴ってのアートとのコラボというのもどんどんやっていきたいですね。カクテルがアートだというジャンルも創りたいと思っていて、表層的なコラボではなく、もっと深いところまで潜り込んでいけることをしていきたいという構想はあります。
 
江刺 他の企業とコラボすればいいのでは?
小川 それは個人的なものですからね。

江刺 でも、ありですよね。他の企業と一緒になってこのカクテルを盛り上げていくみたいな。日本だとまだできていないじゃないですか。そういうのをやってくれると、僕らバーテンダーとしては面白いと思いますし、バーテンダーが横の繋がりが強いように、企業さん方も横の繋がりが強くなっていくと、もっと大きな力が生まれるのではないかと勝手な意見ではありますが、何となく思いますね。これも「パイオニア・ザ・ニューエイジ」ですよ。

小川 会社的な面では、カクテル文化というものを広げていきたいといのがあります。普段お酒を飲まない人が自宅で飲める、例えば海外だと家にミニバーのようなものがあって気軽にカクテルをつくれる環境がありますよね。カクテルをより身近に楽しめる文化を日本でもっと広めていきたいです。
 


▶今回は「挑戦」や「カンパリグループ・カクテルグランプリ2023」のテーマである「パイオニア・ザ・ニューエイジ」に掛けて「切り拓く」という視点でお話をお伺いしてきました。最後に、そうした「自身の」そして「業界の」未来を切り拓くことに挑戦する方々へのエールやアドバイスを頂けますか?
 
江刺 英語やっとけ、ですね。
筆者 やはり必要ですか?
江刺 必要じゃないと言えばそうかも知れませんが、あると広がりが全然違います。
小川 違いますねぇ。
江刺 もうやっとけ!ですね。

小川 例えば、バーショーとかで海外のバーテンダーたちが来ている時に、ちょっと挨拶ぐらいできるまで、そこで顔を覚えてもらえるかは分からないですけど、万が一仲良くなれば、ちょっと海外おいでよとか

江刺 インスタ繋がろうぜ、と言うようなコミュニケーションがどんどん広がっていきますし、英語はこれから必須かなと。
 
で本題の若手に伝えたいことですが、僕はカクテルコンペに挑戦したほうが良いと思う派なんですよね。もちろん、自分のお店を疎かにしたり、目の前のお客様を大切にしないというわけではなく、コンペを頑張りながらどちらも頑張ればいい。大変かも知れないですけど、大変なことをやるのは成長する機会でもあるということなので、それは挑戦してみることでデメリットはゼロですと言いたいですね。世の中を見ても、スポットライトを浴びる機会や職業というのは場珍しい、稀有な機会だと思いますので、まずは挑戦を、一歩目を踏み出すことがとても大事だと思います。
 
小川 勉強のためでもあり、今の自分がどのような技術を持っているか人に評価される場でもあるので、客観的な視点を得られる勉強の機会だと思います。もし営業が疎かになるのであれば出なくても良いと思いますが、発想を変えて、練習を営業に活かす、コンペを営業に活かすという考え方もできると思います。コンペに挑戦したからこそ、新しい技術を学んで、こういうふうなオペレーションができるようになりましたよ、というように考えて頂ければと思います。期日まで残り少しですが、応募お待ちしております。
 
 
■「カンパリグループ・カクテルグランプリ2023」■
カンパリグループのCT Spirits Japanは、新たなカクテルシーンを創造して、広くカクテル文化を浸透させることを目指す「カンパリグループ・カクテルグランプリ2023」を開催する。今回は「アペリティーボ&パイオニア」をテーマとし、イタリアには欠かせない「アペリティーボ」文化の浸透、そしてカクテルの新時代を切り開くような「パイオニアカクテル」の創造を目的としている。一次審査のカクテルテーマは、次世代のカクテルシーン(文化)を開拓し、その象徴となりえる独創性豊かな作品を評価する「パイオニア・ザ・ニューエイジ」。WEB応募締め切りは、2023年10月1日(日) 23時59分まで。詳細は下記より。
https://ctspiritsjapan.co.jp/cocktailgrandprix/
 
 
江刺幸治氏
バーテンダー歴22年。2011年にスピリッツをコンセプトとしたバー「SPIRITS BAR Sunface」をオープン。様々なカクテルコンペティションで入賞し、各種セミナー講師や自らのスピリッツブランドの立ち上げなどを行い、日本のスピリッツ業界発展のために尽力している。
 
【受賞歴】
・JOSE CUERVO「DONS OF TEQUILA 2015」 - GLOBAL WINNER
・HAVANA CLUB COCKTAIL GRAND PRIX 2018 - JAPAN HEAT WINNER
・FOUR PILLARS AUSTRALIAN [GIN] OPEN ASIA 2019 - MOST CREATIVE BARTENDER
・WORLD CLASS 2021 JAPAN - FINALIST
・Campari Group Cocktail Grand Prix 2022 - Champion
 
 
小川尚人氏
兵庫県神戸市生まれ。ニュージーランドやオーストラリアへの留学経験後、神戸の老舗店「Bar elixir de longue vie」でバーテンダーとしての修行を積む。様々なカクテルコンペティションでの受賞歴をはじめ、「CAMPARI Cocktail Competition Asia 2018」では日本チャンピオンとなり、日本代表としてミラノで開催されたアジア大会へ出場。その後、カンパリグループの日本におけるオフィシャル・ブランドアンバサダーとして活動をスタート。カンパリをはじめとしたカンパリグループブランドのトレーニングやカクテル開発の傍ら、全国のバーでゲストバーテンティングもこなす。2022年夏、“伝説のバーテンダー”として世界的に有名なチャールズ・シューマン氏の「シューマンズ バー」(ドイツ・ミュンヘン)にゲストバーテンダーとして招待され、繊細ながらバランスのとれたカクテルの味わいが海外でも高く評価された。

担当:小川大輔

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