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酒のSP

プロセッコDOCはロゼ登場、カクテルにも活路で彩り豊かに魅力が開花。コロナ下でも日本向けキャンペーンを継続

2021年09月10日(金)
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2020年から続いた新型コロナウイルス感染症の第5波が収束し、国内でも外食を中心とした行動制限が緩和された。これまで甚大な影響を受けてきた酒類業界も反転攻勢に転じている。待ってましたとでも言うように試飲会やセミナーが続々とスタートしたが、緊急事態制限下でも例年同様にプロモーション活動を展開が目立ったのがイタリアワイン業界、とりわけ「プロセッコ DOC」(Prosecco DOC)の存在だ。

世界遺産のもとに、生産量世界一を誇る人気スパークリングワイン

プロセッコDOCの生産エリアと製造に関係する事業者数。生産本数はDOCだけで2020年に5億本を超えた
プロセッコDOCの生産エリアと製造に関係する事業者数。生産本数はDOCだけで2020年に5億本を超えた

プロセッコをひと言で表わすとすれば、「世界で最も親しまれているスパークリングワイン」と言えよう。イタリア北部の、ヴェローナとロヴィーゴの2県を除くヴェネト州とフリウリ=ヴェネツィア・ジューリア州の全域で造られるプロセッコは全体の生産量6億本を誇る。20ある州のすべてでワインが生まれているイタリアでも最大のワイン産地のヴェネト州の中でひときわ存在感が高いのがプロセッコである。フランス産のシャンパン、スペインのカバの生産量がともに3億本前後と言われており、英国やドイツほかEU諸国、北米やロシアではすでに高いプレゼンスを示している。その積極的なマーケティング活動を見る限り、今後さらに生活者の日常に溶け込んでいくだろう。

2019年にブドウ栽培の丘陵群がイタリア55番目の世界文化遺産に登録された、コネリアーノ・ ヴァルドッビアデネ・プロセッコ・スペリオーレDOCGからは、瓶内二次発酵による発泡性ワインをも凌駕するプロセッコ生産者も存在し、プロセッコを品質の面で支えている。第3の産地、アーゾロ・プロセッコDOCGは年間の生産量は1000万本とごく少数ながら、マニア心をとらえる味わいが久しく人気だ。

2009年にIGTから昇格し、プロセッコ生産地域全体を指す現在のプロセッコDOCは年間生産本数5億本を超える、世界的なマーケットを支える存在だ。特に昨年は法改正が実現してプロセッコ・ロゼの生産が解禁、今年から市場に出回り、食卓に新たな彩りを添えている。

ロゼの登場でプロセッコの市場はさらに加速

プロセッコ ロゼの誕生はイタリアのアペリティーヴォシーンをさらに豊かに彩っている
プロセッコ ロゼの誕生はイタリアのアペリティーヴォシーンをさらに豊かに彩っている

プロセッコにおける今年最大の話題は何と言ってもロゼの登場だ。ワイン法で産地呼称や製法、使用可能な品種などの規定があるイタリアでは昨年5月に法改正が実現。プロセッコの風味の柱であるブドウ品種のグレーラをこれまで通り85%以上使用し、ピノ・ネロ(ピノ・ノワール)を10~15%使用したワインを「プロセッコ ロゼ」(Prosecco Rosé)と呼ぶことが認められた。市場はにわかに活気づき、日本でも早いものでは2月下旬から桃色のプロセッコが出回った。

プロセッコ ロゼは、これまでの柑橘や白い花、桃やパイナップルなどの甘味なフルーツとハーブのフレーバーが特徴のプロセッコに、さらに赤いベリーの風味が加わったと言えば分かりやすい。品質的には、これまでもロゼのスパークリングワインを生産していたメーカーに一日の長があった。また、ドライで黒ブドウの存在が希薄な印象のアイテムの中でも、夏ごろから香りや味わいが開いたものもあるほか、エクストラブリュット、ブリュットナチューレといった辛口カテゴリーの中に秀逸なプロセッコ ロゼが見つかっている。価格はメーカーやブランドにもよるが、既存のスタンダード品より10~20%程度割高となっていたが、秋に入り価格も落ち着いてきた。これまで数年にわたる働きかけが結実したプロセッコ ロゼは、この秋からより一層、本格的に普及し始める素地が整ってきている。

卓越したマーケティング力で世界のファンをつかむ

プロセッコDOCは日本でも、じわりじわりと新たなファンを獲得している。
2019年から3年間、オフィシャルサプライヤーとして協賛しているオートバイによるロードレース世界選手権(MotoGP)はモータースポーツファンの間でプロセッコの認知度を高めている。18年にタイトルスポンサーとしてサポートした第6戦イギリス大会を契機に本格参戦した形だ。ここで露出するプロセッコDOCワイン保護協会によるロゴとボトルにより産地としてのプロセッコを知らしめ、400に及ぶワイン生産者とブランドへの関心に導いている。

MotoGPのほか、プロセッコDOCによるヴェネトやフリウリを拠点とするスポーツチームへの支援も目立つ
今年2月に行われたアルペンスキー世界選手権も記憶に新しい。イタリアを代表するアズーロ(青)にラッピングされたプロセッコDOCの特製ボトルやオフィシャルウェアにも「PROSECCO DOC」の文字が躍った。このほか、女子バレーボールチーム「イモコ・コネリアーノ」やプロバスケットボールの「トレヴィーゾ」、さらに今年から「ベネトン・トレヴィーゾ」とプロセッコ生産の中心地、トレヴィーゾ県内のスポーツチームへの協力体制を強めている。

プロセッコDOCの通称“協会ボトル”(左の3本)ほか関連グッズ。右から2本がヴェネツィア建国1600年記念ボトル、3本目がADIデザインミュージアムの限定ボトルだ
プロセッコDOCの通称“協会ボトル”(左の3本)ほか関連グッズ。右から2本がヴェネツィア建国1600年記念ボトル、3本目がADIデザインミュージアムの限定ボトルだ

文化的な支援にも熱心だ。今年は建国1600年を迎えたヴェネツィアを祝う特別パッケージを発表したほか、ミラノのADIデザインミュージアムの開館に向けて、特別限定版のボトルも制作。国内外の美術館や芸術とのコラボレーションボトル(いずれも非売品)を次々とリリースしている。

日本での活動は昨年以上に活発だ。コロナ下のため協会、生産者の来日はかなわなかったが、3月には国内最大の食品展示会「FOODEX JAPAN 2021」、7月には京都で行われたイタリア料理専門展「ACCI Gusto京都」に出展。今年は新たに、プロの料理家、料理研究家、フードコーディネーターたちの9万件に及ぶレシピサイト「ナディア」でもプロセッコとのコラボレーション企画を実施。12月までに、76品以上のマリアージュレシピが掲載されるという。さらに、コミュニティFMラジオでは新番組「Prosecco DOC presents平野早矢香Salute!」が7月4日からスタートした。番組は2012年ロンドンオリンピック卓球女子団体銀メダリストの平野早矢香さんがパーソナリティを務め、9月までの毎週日曜日に全国のコミュニティFMラジオおよびサイマル放送を通じて放送された。13回にわたった放送では、毎回1種類、合計13種類のプロセッコDOCが紹介されたばかりでなく、リスナーへのプレゼント企画も行なわれ、消費者向けのキャンペーンにも活動のベクトルが向き始めた。

カクテルにも、プロセッコを

ワイン業界においてほかに類を見ないプロセッコの特徴は、カクテルとしての普及にも熱心なところだ。桃とスパークリングワインのカクテル「ベリーニ」はカクテルのグローバルスタンダードの一つだが、発祥の地である「ハリーズバー」があるヴェネツィアは“市の公式スパークリングワイン”にプロセッコを指定するなど結びつきが深い。

副材料をブドウにした「ティツィアーノ」や、北イタリアで近年知られ始めているザクロを用いた「ティントレット」もベリーニとともにヴェネツィア派の画家の名を取った一杯で、プロセッコをベースとするのが相性としても良い。この数年、世界で常に最も人気の高いカクテルである「ネグローニ」はジンをプロセッコに換えた「ネグローニ ズバリアート」も人気のカクテル。料理とともに、カクテルというクリエイティブな領域でもコラボレートし、ロンドンなどカクテル先進国のミクソロジストとも協業するプロセッコは今後、日本のバー業態にも普及するポテンシャルを有している。

English Garden Negroni
Hendrick’s Gin
Campari
Italian Vermouth Rosso
Prosecco DOC extra dry
Darjeeling Tea
Rose Syrup

Tintoretto
Pomegratane Syrup
Proseccp DOC brut

Godfather Sbagliato
Amaretto Liqueur
Prosecco DOC brut

Mediterraneo
Sliced Orange
Sliced Lemon
Sugar Syrup
Grappa di Prosecco
Basil Leaf
Prosecco DOC extra dry

Spuma Crema Bruna
Espresso
Raspberry Syrup
Prosecco DOC extra dry
Mint Leaf

Bitter Orange Spritz
Aperitivo Liqueur
Orange Juice
Prosecco DOC
Basil Syrup
Basil Leaf

プロセッコDOCの年間ハイライト プロセッコ月間「Mese del Prosecco DOC」で特製ジェロボームボトルをゲット

この一年のハイライトとなるのが11月22日から行なわれるレストランキャンペーン「プロセッコ月間」(Mese del Prosecco DOC)だ。今回で5回目となるこのプロモーションは、「グラス売り」「通常よりリーズナブルな価格で」「期間中の特別イベント開催」など、それぞれの店舗でプロセッコDOCの楽しみを伝えるもの。参加店には、プロセッコDOCワイン保護協会のオリジナル販促グッズ(ポスター、ワインクーラー、ストッパー、パンフレットなど)が無償で提供される。

販売本数によるコンテストは行わずに、キャンペーン指定ワインの取り扱い(仕入れ)12本(750ml換算で)に対してプロセッコDOC保護協会特製ボトル(200ml、非売品)6本セットがプレゼントされるほか、積極的な情報発信に対するSNS特別賞が贈られる。インスタグラム、ツイッター、Facebookページを対象に、規定の内容と回数をクリアすることでプロセッコDOC保護協会特製ジェロボームボトル(3リットル、非売品)が1本を進呈されるほか、さらに積極的な投稿をした場合、追加プレゼントが検討されている。

中央がプロセッコDOC特製ジェロボーム。手前の小瓶(200ml)は、期間中に仕入れたプロセッコの半分の本数が贈られる(終了後に伝票などとともに申請)
中央がプロセッコDOC特製ジェロボーム。手前の小瓶(200ml)は、期間中に仕入れたプロセッコの半分の本数が贈られる(終了後に伝票などとともに申請)

緊急事態宣言も解除され、外食シーンも賑わいを取り戻しつつある今日。年末に向けた話題性と集客の一助に、日本でもこれからさらに知られていくスパークリングワインで乾杯シーンを彩ってみてはどうだろうか。

プロセッコDOC「2021日本プロモーション」参加ワイナリー一挙紹介

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