渋沢栄一の著書である『論語と算盤』に起源があると言われている「ロマンとソロバン」という言葉があります。これが、時代の変化とともに進化をしていると思います。
以前からホテル業界でも「ロマンとソロバン」という言葉を語る人はいました。さまざまな解釈があるかと思いますが、ビジョンを持つことや提供する商品、そしておもてなしが大切である一方で、ちゃんとお金、経理の部分も考えないといけないですよ、というところでしょうか。
提供する商品やおもてなしは昔と変わらず大切ですが、ここ数年、この「お金」の部分の意味がより複雑になっていると感じます。
以前のホテルは所有直営、もしくは賃貸借でも固定賃料が一般的でした。ところが、訪日外国人が増え続ける市場の中で多くの企業がホテルに興味を持つようになり、ホテル開発が盛んになると同時に、関係するプレーヤーも多様化しました。そして、2000 年代から一部はあったものの、いわゆる「ファンド」や「REIT」と呼ばれるオーナーの存在感が増しました。