ポイントを整理しますと、シーン別評価の平均値が 2スターの場合、ビジネス目的時において、印象が良くなっているパターンを望む顧客が回答者全体の 39%(観光目的時:39.5%)、逆に印象が悪くなるパターンを望む顧客が回答者全体の 4.5%(観光目的時:8%)と、圧倒的に印象が良くなる方を望んでいました。また、シーンを通じて印象が一定の場合との比較では、印象が良くなる方を望む顧客が回答者全体の 32.5%(観光目的時 31.5%)、一定である方を望む顧客が回答者全体の 8%(観光目的時:7%)という結果で、いずれにしても、印象が良くなる方を望んでいることがうかがえました。次いでシーン別評価平均値が 3.5スタークラスの場合では、ビジネス目的時において、印象が良くなっているパターンを望む顧客が回答者全体の32.5%(観光目的時:39%)、逆に印象が悪くなるパターンを望む顧客が回答者全体の 3.5%(観光目的時:5%)と評価平均値が 2スタークラスの場合と同様に、圧倒的に印象が良くなる方を望んでいました。
また、シーンを通じて印象が一定の場合との比較では、印象が良くなる方を望む顧客が回答者全体の 27.5%(観光目的時30%)、一定である方を望む顧客が回答者全体の9.5%(観光目的時:8.5%)という結果で、いずれにしても、印象が良くなる方を望んでいることがうかがえます。
このような顧客ニーズ調査結果の背景にはさまざまな要素が関係しているものと思われますが、今回は新たに「顧客の感情」に焦点を当てて右記のように顧客が時間の経過に伴いホテルの印象が良くなるパターンを望む理由を考えてみたいと思います。
以下では 2スタークラスと4スタークラスの二つのホテルカテゴリーを想定してもらい、チェックインからチェックアウトに至る時間の流れの中でどのような感情を連想するのか調査した結果をご紹介します(全国男女 200名に対するインターネットアンケート調査、2020年弊社実施)。
その際、スターカテゴリーの定義を以下の通りと設定します。
2スター:ミッドスケールホテルと言われるカテゴリーに相当し、十分な清潔感、機能性、高いレベルの安心感、アットホームなサービスが提供されているという宿泊施設の品質を満たす施設。
4スター:アッパーアップスケールからラグジュアリーホテルと言われるカテゴリーに相当し、幅広いサービスや機能性を提供し、客室を中心に細部に至るまで高い快適性が確保され、顧客視点、顧客配慮が十分に実践できているという宿泊施設の品質を満たす施設(顧客におおむね「自由」でいられる価値を提供しうる施設)。