2種のシングルヴィンヤードは2016年、2014年ヴィンテージはブレンドによる三位一体のシンフォニー
ハンドレッド・エーカーのランドン・パターソン副社長。このワイナリーで14 年にわたり、ジェイソン・ウッドブリッジ氏のワイン造りを支えている
この日は、ワイン・イン・スタイルが販売を再開する3種が紹介された。「カイリー・モーガン・ヴィンヤード」はセント・ヘレナの街の北にあり、保水性の高い粘土質土壌はカベルネ・ソーヴィニヨンには不向きと考えられたが、土壌に含まれるガラスや砂利質に着目した。2014年や15年とは異なり、熱波のなかった16年はクオリティーの高いブドウが収穫できたヴィンテージで、ふくよかでゴージャスながら、果実の香りと味わいにエレガントさも感じられるワインに仕上がった。
左の「ケイリー・モーガン・ヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨン 2016」は過去に5回、中央の「アーク・ヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨン 2016」は6 回の“100点満点” を獲得している。右の「レイス カベルネ・ソーヴィニヨン 2014」も18年に満点の評価を得た。
「アーク・ヴィンヤード」は6000万年前に形成された土壌で、黒曜石を含む火山性土壌。ジェイソン氏が自身で最初に植樹した自慢の畑だ。11エーカーの敷地から90以上の異なる収穫ロットを個別に醸造してブレンドしている。16年ヴィンテージには凝縮感があり、甘味な果実感と奥行きのある味わいが楽しめる。
「レイス」は前述の二つの畑にカベルネ・フランを含む「フュー&ファー・ビトウィーン」をブレンドしたもの。「その年の個性が感じられるワイン」とパターソン氏は語る。シングルヴィンヤードの前者2種のワインが最低30カ月熟成であるのに対して、これは40カ月以上を熟成に費やす。いずれも樽には木目の細かい側板を選び、3年間自然乾燥させた最上級のフレンチオークを用いている。
価格は3アイテムともに9万円(税別)。30カ国に輸出されており、生産量全体の30%は料飲店用にリリース、残りの消費者向けは、ハンドレッド・エーカーの顧客が常にウェイティングリスト入りしているという希少品には、11月の入荷に期待が集まっている。