ホテルやレストランのビジネスは表面的には部屋や食事、空間などを提供している。しかし、本当に提供をしているのは、その奥にある「何か」ではないだろうか。
 
　先日、ある非常に印象的な講演の動画を見た。その講師がクリスマスイブの夕刻、出張先での仕事を終え家に帰る際に訪れた空港のカフェでの体験の話だ。
 
　彼がオーダーする番となると、女性のスタッフが素敵な笑顔で「こんにちは。私はリリーといいます。お名前は？」と聞いてきたそうだ。彼が少し驚き「ライアンです」と答えると、「ライアンさん、何をおつくりしましょうか？」、「グランデサイズのパンプキンラテを」、「ホイップクリームはお嫌いではないですか？ それでは熱いコーヒーにたっぷりのクリームを乗せて、スパイスをかけたとても美味しいラテをおつくりしますね」とやりとりが続く。その後も彼女はラテを作りながら、「クリスマスは家族と過ごすのか？」や、家族についてなど質問をしてきて、とても話がはずんだそうだ。そして、コーヒーができあがると彼女は「ライアンさん、お気をつけて。素敵なクリスマスを。そしてまたこの空港へ寄る機会があれば、ぜひそのクリスマスのお話を聞かせてくださいね」と言ったという。