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  • 我、かく闘えり ベルボーイからホテリエへ―徒手空拳の男はなぜ、野望を叶えることができたのか
第一回 連載 我、かく闘えり

プロローグ〈人の喜ぶ顔が見たいから〉

2018年03月07日(水)
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変わっていった銀行の評価

 片野は、自分の夢を、いや野望を実現させるために、2011年にRホテルズ インターナショナルを興した。自分の理想とするサービスでお客さまをもてなし、なおかつ利益を上げられるホテルをつくりたかったのだ。社名のRには、リライアンス、リユース、リターン、リラクゼーションと、さまざまな意味を込めた。

 後ろ盾は何もなかった。

自分でホテルを運営したら、絶対に潰さない――根拠はこの自信と独自の理論だけだった。

 だから最初は、銀行から融資を受けられなかった。「片野って、何者?」、「Rホテルズって、どこの会社?」などと言われ、全く相手にされなかった。仕方なく、ノンバンクから資金を調達した。
2軒目のホテルを購入するときも同じ反応しか示してくれなかった。北九州市のホテルを買収するときは、毎月片野が赴いて状況説明をすることを条件に、初めて融資を受けることができた。2年間、その銀行に通った。

 ところが、である。片野が運営し始め、しばらくすると、銀行は手の平を返したように態度を変えた。

「片野さん、この1年で、見事にあなたの言ったようになっていますね。
 でも、最初は疑いましたよ。あなたが言ったような業績が上がると、どこも黒字になってしまう。そんなわけないだろうと思ったんですよ」

「次はどこですか。案件が2件あるんですか。片野さんのお好きな方で融資いたしますよ」
 買収したホテルは、右肩上がりの実績を示すようになっていった。
 
 片野はなぜ、成功を収めることができたのか。その秘密はどこにあるのか。

 ホテル運営に確信を得たその時代に、時計の針を戻すことにしよう。(次回に続く)



 

Rホテルズインターナショナル
片野 真治 プロフィール
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