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第四三回 キャリアデザインは口に出して言え 福永健司のキャリア論

SAQ=スピード・アジリティ・クイックネス

2017年12月12日(火)
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 また、判断する際にいつも思い出すのが、会計監査事務所時代の話です。

 私が会計監査事務所に勤務していたのはバブル経済が破たんした90年代中盤です。

 今となっては非常にユニークなタイミング、そして経験でしたが、興味深かったのはバブル経済全盛期であっても(要は多くの会社がその実態に関係なく経済的には順調な状況であった)倒産する会社は倒産し、一方でバブル経済破たんし多くの企業が倒産、廃業に追い込まれていた中でも残る会社はしっかり残る、あるいは成長を続けるという状況でこの生き残る会社と生き残れなかった会社の違いは何かということに興味を持ち、数名の社長に、現在考えると大変失礼ながら「なぜ御社はバブル経済が破たんしてもつぶれなかったのですか?」と聞いたところ、多くの社長が言われていたのが「何かがおかしい。だから動かなかった」、「金融機関が積極的に融資を勧めてきたが、身の丈を越えると危ないと感じた」などというコメントでした。
 
“やらない”という決断をしたことにより火傷をせずに済んだということを多くの経営者の方がおっしゃっていました。
 
 決して上に、あるいは縦に進むことだけが決断ではないのです。
ポジションや役割が上にいけばいくほど内容も複雑な、そして瞬時な対応や決断を迫られます。
 
 もちろん、なぜそのように判断したのかということが後日、そして特に結果が悪い方に出た場合に求められます。人生もキャリアデザインも決断、決断の連続です。
 


 しかし、違う角度で考えると決断をできるというのはそれ相応の立場や状態、そして余裕がある証拠でもあります。決断すらできない、選択肢なし、という状況(往々に他者にコントロールされている際に現れます)に比べれば、決断は苦しいかもしれませんが、尊敬する永ちゃん風(歌手の矢沢永吉さん)に言えば「てめえのやりたいこと、てめえの人生はてめえで決めろ」ができる環境を楽しんください。あなたの人生なのだから。
 
 今、そうでない方は、そうした道を望むのであれば、一刻も早くそうした環境になるよう”スピード感“をもって行動に移られてください。
 




 

スピード感がほしい
 




 


福永 健司 プロフィール
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