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第14 回 公益社団法人国際観光施設協会編 観光施設メディアラボ 

第14 回  アルプス山岳郷 — 滞在して楽しい観光地づくり — 江中伸広 斎藤元紀

【月刊HOTERES 2016年08月号】
2016年08月05日(金)
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 私たちの住む地域は標高1000m 以上にありきれいな空気と水に恵まれています。
新緑の木々、山野草、秋の紅葉、雪景色、どれも平地にはない素晴らしい「色」に彩られていますその環境からスイスのグリンデルワルト村と姉妹提携をしています。
グリンデルワルトは、ご存知のようにアイガーの麓にあり登山電車で3454m まで登って、そこから氷河をダイナミックに滑り降る事が出来たり四季を通して多様な人々が滞在を楽しむ為の素晴らしい施設や環境が整っています。
交流を重ねる中で、我々も年間を通じ多様な人々が滞在を楽しめる山岳リゾートにしたいとの思いが生まれ、一つ一つのスケールでは及ばないものの、私たちのエリアには『趣』の異なる魅力ある個性をもつ地域が数多く存在しており、地域連携をすることで、欧米のように1 週間でも、1 カ月でも“ 滞在を楽しめる環境” を創り出す事が出来る。それを目指して、槍穂高・上高地・乗鞍高原白骨温泉・さわんど温泉・ながわ・6 地域が連携し活動する「アルプス山岳郷」が生まれました。

— アルプス山岳郷DMO —
 
そんな折、政府の観光を軸に地方創生を図るとの政策が発表され、観光庁が提唱する日本版DMO 候補法人に4 月に選定されました。現在、地域だけでなく行政はじめ金融機関・交通事業者・有識者などと協議を重ねDMOの組成に向けて取り組んでいます幸い地域には次代を担う若者が集う「ブリッジ」( 会員70 人)が、この機会を捉えて活発な活動を推進しています。また都会には地元に帰りたい若者、移住して来たいと希望する若者も頼もしい存在です。そんな若者たちが心豊かに暮らすことが出来る地域にする事。これも我々の大きな目標としていることです。
 
地球規模で“ ヒトやモノ” が移動している現代に
「人間らしい時間と空間」は、自然豊かな環境に存在していると思います。
訪れた人たちが自然に触れ、何かを感じて帰る姿1 つの地域に滞在し、隣り村に遊びに行く感覚を通じてアルプス山岳郷に“ 暮らすように滞在する”また都会に居ても、心の何処かでアルプス山岳郷を想い、行きたいなぁ! 帰りたいなぁ! と感じ愛される事を目指したいと思っています。それには、豊かな自然環境を生かし6 地域の持つそれぞれ特徴ある個性を地域で共有し更に磨く事DMO は観光業だけの取組ではなく、地域全体が精神的にも、経済的にも豊かになる事が目的ですそれは自分たちの地域・文化に誇りを持ち暮らす事から生まれます。
 
都会に憧れ・都会に暮らす! いま、この流れは大きく変わろうとしています。我々は、もっともっと “ 心を磨き” この課題に正面から取組みたいと考えています。この地域には都会とは違う豊かさがあり、暮らしの中に笑顔が、そして滞在を楽しむ人々にとって“ 心のふるさと” となれるよう、頑張っています。この夏には、地域間を継なぐ周遊バスの試験運行を開始します。

斎藤 元紀
将来構想委員会 委員長
   白骨温泉
「山水観湯川荘」主人

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