リスクヘッジとは、危機(リスク)が現実になってしまった場合に損失を最小限におさえるための保険をかける行為(ヘッジ)であり、起こるかもしれない最悪の事象を回避したり、その大きさを軽減したりできるように工夫することです。使わなくて済むのであれば使わないに越したことはありませんが、挑戦への腹の括り具合を高めるためにも万が一に備えヘッジを考えましょう。
この、一見矛盾する考え(退路を断ち目先の事柄に全力投球する、にもかかわらず万が一を考えておく)を自分のキャリアデザインの中の一部という視点で盛り込みましょう。
広い視野で見ればヘッジはどこでも通じる力を持つということであり、例えばフロント担当のホテリエが営業職に空きが出たので挑戦する場合、これをチャンスと思い積極的に営業部長までのキャリアを目指して現状を進むとします。その最中にはセールスだけでなくレヴェニューマネージメントだったりマーケティングだったり、今までとは違う世界が見え、また直接的・間接的に関わることになります。
しかしながら現実として営業職として数字が挙げられず、あるいはなんらかの事情で営業職を去る場合でも、ヘッジとしてはその後、営業マインドをもったホテリエ、あるいはレヴェニューマネージメントに強いフロントというホテリエにトランスフォームできる可能性が多分にあります。
決して、自身の逃げ道を用意しておけという論ではありません。
繰り返しますが、使わなくていい手段であるがプランB(次の一手)を持っておくことによる心の余裕とそれが故の積極性が出て、結果、進んだ道が大成功となる可能性が高まります。
そして考えていたリスクヘッジ(=プランB)が取り越し苦労であるというような笑い話になればしめたものです。

- 福永 健司 プロフィール