新本館ロビー イメージパース
その一環として、ロビーをはじめ、旧本館のインテリアや装飾などは、可能な限り新本館に移設し再現すべく、現場調査を重ねながら設計作業を進めてきたという。
そしていよいよ、新本館ロビーの設計・デザインが概ね固まった。同ホテルの象徴とも称される照明具「オークラ・ランターン」や、満開の花のように見立てた「梅の花のテーブルと椅子」、六大陸各都市の時を刻み世界の賓客を迎えてきた「世界時計」、そして「行燈」などを再利用する。
また、色絵磁器の人間国宝 富本憲吉氏がデザインし、西陣の純絹のつづら錦に仕上げた「四弁華紋様の装飾」や「麻の葉紋の木組み格子」などは再利用ができないため、再制作するという。なお、新本館のロビーの面積は旧本館ロビーよりも2割ほど大きくなる予定。
詳細は以下の通り。
切子玉型(オークラ・ランターン)
【切子玉型】(オークラ・ランターン)
古墳時代の飾り玉に見られる切子玉型をデザインしたもので、五角形の板を10枚つなぎ合わせて切子型とし、五連つなげて一つとしている。なお、ランターンは別館ロビーでも同じように見ることが出来る。
梅(テーブルと椅子)
【梅】(テーブルと椅子)
輪島の漆仕上げのテーブルを梅の花の芯、その周りの五つの椅子を花弁に見立てて、満開の梅の花に見えるよう趣向を凝らした。椅子は花弁をかたどったデザインとしている。
四弁花紋
【四弁花紋】
色絵磁器の第一人者で人間国宝の富本憲吉氏がデザインした四弁花紋様を、京都・西陣の龍村美術織物に依頼して純絹のつづれ織りにしたもの。蘭を見事なふくれ織りで、屏風風に仕立てている。蘭は大倉喜七郎が好んだ花だという。
麻の葉紋(木組み格子)
【麻の葉紋】(木組み格子)
二等辺三角形の組み合わせによって作られた四方連続紋様で、単純でありながら極めて巧みな構成紋様。釘を一本も使わずに組まれた芸術品。館内の随所に麻の葉のデザインが施されている。
世界時計
【世界時計】
ホテルオークラ東京を設計した谷口吉郎氏が晩年、当時の社長 野田岩次郎所有の古いオランダ製の海図をもとに考案し、丹青社ならびにセイコー㈱服部時計店の協力のもと、当時としては、最新機能と種々の趣向を凝らして製作された。
ホテルオークラ王経新本館設計者の一人、谷口吉生氏より
ホテルオークラ東京の建て替え計画も旧本館と同様に設計者が共同で担当する予定です。
私は、ホテルオークラ50年の歴史を継承すると同時に、次の50年、100年も生き続けることができるデザインを 目指します。
具体的には、ロビーの中に現在の本館ロビーを復元しつつ、現代にふさわしいロビーとして生まれ変わらせます。
また、ロビーの前には、ホテル2棟とランドマークとなる大倉集古館によって構成する新しい広場を設計します。
ホテルオークラ東京
http://www.hotelokura.co.jp/tokyo/