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【IR】長崎IR開発を通して、地方創生に役立ちたい

【IR】長崎IR開発を通して、地方創生に役立ちたい

2021年02月16日(火)
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1月15日、長崎県のIR(統合型リゾート)開発を目指すOshidori International Development 合同会社(以下、オシドリ社)は、COO(最高執行責任者)に、中谷圭吾氏が就任したことを発表した。中谷氏は長年、大手広告代理店勤務のなかで、関西、沖縄、北海道の地方創生業務やIR事業者を支援していた経験を持つ。国内IR関係者との豊富な人脈を持つ中谷氏に、オシドリ社の事業内容や目指すIR像、そして自身のキャリアをどのように生かすのか聞いた。
 
取材・文 長谷川 耕平

Oshidori International Development 合同会社
COO
中谷 圭吾 (なかたに・けいご)



1977年、和歌山県生まれ。幼少期の9年間をアメリカで過ごす。全国通訳案内士(英語)であり、陸上自衛隊の予備二等陸曹という顔も持つ。沖縄小林流空手道二段。趣味はゴルフ、温泉、散歩、サイクリング。

【ホテレスオンライン内記事】オシドリ社が中谷圭吾氏をCOOに任命
 

□まず、オシドリ社の事業内容やスタッフについて教えてください。
 
 当社は香港の総合金融サービス会社 Oshidori International Holdings Inc.(香港証券取引所上場 SEHK:0622)を親会社に持つ、長崎県佐世保市の統合型リゾート開発を目的として設立された日本法人です。会長兼社長兼CEOのアレハンドロ・イエメンジアンは、MGMリゾーツの元社長およびMGMスタジオの元CEO、IR事業に豊富な経験を有し、IRのデザイン、設計、運営を総合的に行なってきました。

 2021年1月末時点で、日本法人のスタッフは、私や顧問契約者を含めて7人です。スタッフは長崎、福岡、東京に配置しています。そのうちの一人は、長年、長崎県で通訳案内士をしており、免許番号が一桁台のナンバーを持つ方です。私も全国通訳案内士の免許を持っていますが、とても比較できないほど、偉大な先輩です。その大先輩に指導いただき、私は長崎県の人脈・知識を得るように励んでいます。


□オシドリ社は長崎県のIR開発に名乗り挙げましたが、ほかの地域も考えていますか。
 
 長崎県のIR開発一本に絞って考えています。投資額は4000~5000億円を予定しています。
 

□そもそも、なぜオシドリ社は長崎県のIR開発に参加することを決めたのでしょうか。
 
 日本は、世界におけるIR開発のラストフロンティアです。また、長崎は東アジアの中心に位置しており、韓国、中国、台湾、約12億人がフライトで3時間圏内に位置する魅力的な土地です。また、クルーズ船産業の恩恵を受けるのにも良い位置にあります。

 しかし、もっと重要なことは、長崎県はインフラ開発にコミットし、九州のほかの都道府県の支援を受けており、公的部門と民間部門のパートナーシップに対して非常に前向きなアプローチを取っていることが参加する理由です。


□では、オシドリ社が目指す長崎IRとは。
 
 当社は、長崎県において世界トップクラスの統合型リゾートを開発し、長崎・九州の観光産業の発展に寄与、および、その先にある新しい社会、そして誰もが住みたいと思う街をつくることを目指しています。

 その理由として、地方が抱える課題「①人口減少」「②良質な雇用の創出」などが挙げられます。当社は長崎IR開発を通して、IRをエンジンとした地方創生に取り組みたいと考えています。また、IRは周辺地域との連携が大切です。世界のIRを見ると、IRが誕生したことで、交流人口の拡大や地域経済の活性化につながっているからです。

 そのことも踏まえて、2月10日、リゾート開発の実現に先駆けて、長崎の地域社会に貢献する取り組みの一環として、日本プロサッカーチームに加盟する「V・ファーレン長崎」との2021シーズンのオフィシャルパートナー契約締結を発表しました。スポーツをはじめとした、さまざまなエンターテインメントや文化芸術の振興に取り組み、長崎IRの実現と地域産業の発展に尽力していく考えです。また、「九州オシドリ児童財団」を通じ、良き企業市民であるよう努めてまいります。


□1月29日にも、モヒガン・ゲーミング&エンターテイメント(以下、モヒガン社)と、
長崎県における統合型リゾート開発への共同入札に向けて、パートナーシップを締結したことを発表しましたね。

 
 モヒガン社は世界で10のIR施設を運営している企業であり、当社とモヒガン社の協業は、両社が強みを共有し合い、ワールドクラスのIR開発に向けて取り組みを強化することを目的としています。現時点で言える範囲だと、ゲーミングの運営をモヒガン社にお願いする形になります。ノンゲーミングの運営に関しては、段階を追って発表できると思います。余談にはなりますが、私自身も2019年に視察でコネチカットを訪れており、当時はモヒガン社の競合企業を担当していましたが、非常に素晴らしいIRだったと記憶しております。施設の完成度だけでなく、印象的だったのは、ホテル紹介のビデオに登場されていた女性が「私はこの町で生まれ育ち、今は多くの世界的なスターと仕事をしています。本来であればニューヨークやロスアンゼルスなどの大都市に行かなければできないような仕事が生まれ故郷で出来ることは本当に幸せです」と話されていたのが印象的だったと同時に日本もこのような場所が必要だと強く確信しました。
 
 
□オシドリ社はIR施設のなかで、重点を置く施設はありますか。
 
 IRの本質は、ホテル、飲食、小売、エンターテインメント、コンベンション、展示会、ゲーミングなど、一つの屋根の下に、少なくとも六つの異なるビジネスがあることです。 これらのビジネスおよび施設はすべて、お互いをサポートし、シームレスに連携し、一緒になって観光を促進する非常に大きな興奮を生み出すため、非常に重要です。

 したがって、最も重要な施設は一つではありません。これらはすべて、一般の人々の想像力を捉える上で非常に重要です。
 

□IR施設の面積配分については。長崎IRは「ハウステンボス内」と指定されていることから、
ハウステンボスやテーマパークホテルを意識した構成になりますか。

 
 ある程度、面積配分を考慮した上で計画を練っていますが、現時点で発表はできません。ただし言えることが一つあります。IR施設はすべて補完関係で成り立っており、相乗効果があることです。

 また、「ハウステンボス」(既存コンテンツ)との連携は重要であると同時に、佐世保市内をはじめ、離島を含む長崎全県との連携も考えないといけません。地域経済への寄与は、IRに求められている役割の一つだからです。
 

□最後に、中谷氏は自身のキャリアをどのように生かして、長崎IR開発を進めますか。
 
 私はオシドリ社に入社する前から、約10年間IR業界に携わってきました。世界中で30施設以上のIRを訪れましたが、特にここ3年間は、ヨーロッパ(スイス、スペイン、モナコ、フランス)、東南アジア(シンガポール、フィリピン)、東アジア(マカオ、カンウォンランドを含む韓国)、アメリカ(ラスベガス、フロリダ、アトランティックシティ、フィラデルフィア、コネチカット州、マサチューセッツ州、北部ニューヨーク州)、カリブ海のドミニカ共和国にも訪れ、世界の主要なIR・カジノはほとんどチェックしました。こうした滞在経験と、大阪、沖縄、北海道など日本の各地で働いた経験を元に、賛否両論あるテーマだからこそ地元に飛び込み、皆様の話を伺い、丁寧にコミュニケーションを行なうことを心がけ、IRをわかりやすくお伝えし、地方創生にかける思いを一つずつ体現していきたいと考えています。

 日本各地でシャッター街を見ると、地方を元気にしたいという思いがあふれてきます。前職では、日本広告業協会に「地方創生」をテーマに論文を提出したこともあります。日本は豊かな地方がないと、国際競争力の強い東京も生まれてきません。そのため、長崎IR開発を通じて、地方創生のモデルケースをつくっていきたいです。
 

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