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レポート レ・クレドール ジャパン 日本コンシェルジュ協会 コンシェルジュ中心にセミナー開催 

フォーブストラベルガイドによる日本国内初、公のトレーニングを実施

【月刊HOTERES 2018年03月号】
2018年03月09日(金)
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フォーブストラベルガイド アジアパシフィック バイスプレジデント、小池亮氏
フォーブストラベルガイドラーニング・デベロップメント バイスプレジデント、Jeff Wielgopolan 氏

 
ラグジュアリーホスピタリティーの
世界最大のコンサルティング会社

 
 開会にあたり、マンダリン オリエンタル 東京の総支配人、Paul Jones 氏によるウェルカムスピーチが行なわれた。Jones 氏はスピーチの中で「真に素晴らしいコンシェルジュはホテルにとって最も貴重な資産の1 つです」と述べた。
 
「本日は、最高のサービスを提供することを目的に、コンシェルジュ、ホテル関係者、ビジネスパートナーの方々が一堂に会し、知識と活動を共有する機会となり、非常に重要なセミナーです」
 
 また、レ・クレドールジャパン プレジデントの住吉真矢子氏は、同じくウェルカムスピーチの中で「インターナショナルコングレスにおいて私はフォーブスの講師によるスピーチを聞き、とても勉強になりました。その経験から今年のセミナーでは是非フォーブスによるトレーニングをお願いしたいと考えました」と述べた。「本日のセミナーが、日本のコンシェルジュのサービス向上につながればと思います」
 
 続いて、小池氏によるセミナー第一部が行なわれた。
 
 1958 年に世界ではじめて星を使ったホテルを格付する会社として設立されたモービルトラベルガイドを前身とするフォーブスは、「世界最大のラグジュアリーホスピタリティーのコンサルティング会社」として全世界で活動している。設立60 周年を迎える2018 年、世界60 カ国にあるラグジュアリーホテルを評価対象として格付が行なわれている。
 
 フォーブスで仕事をしているスタッフはコンピュータのプログラマー以外は全員が元ホテリエ。調査員は100%、最低15 年間ホテルで働いた経験を持つ正社員で構成される。2016 年の実績では調査員は合計約470 万マイルを飛んだが、これは地球と月を10 往復、地球を189 周した距離に相当する。また、調査にかかる渡航費、滞在費、宿泊費はすべてフォーブスが負担している。「フォーブス」は厳しい評価に基づいて、本当に証明された素晴らしいホテルの情報を消費者に向けて提供している。フォーブスが証明したニューヨークの5つ星ホテルは8軒、4つ星は22軒。約900 軒ある中でわずか8ホテルだけしか、最高級のラグジュアリーホテルとして認められていないことからも、その評価の信頼度の高さを窺い知ることができる。
 
550 あるホテル部門の評価基準のうち
75%が「経験」に関するチェック項目

 
 フォーブスは、世界中のラグジュアリーホテルをどのように評価しているのか。ホテルの格付、レストランの格付、スパの格付の3種類があるが、そのすべての評価基準を合わせると約900 項目にのぼる。さらにこの900 項目は、毎年1回改定される。ラグジュアリーの定義は時代とともに動くものだからだ。技術の促進、ゲストの期待が変化していく中で、ラグジュアリーの評価のハードルはどんどん上がっていく。
 
 フォーブスでは、その変化を常に組み込んだ評価基準を徹底して維持している。
 
 フォーブスは歴史上はじめて、「評価基準諮問委員会」を設立している。世界中のホスピタリティー業界エリート企業の役員で構成され、900 項目を満場一致で認証するという手続きを踏むことで、評価基準のクオリティーを担保している。
 
 ホテル部門は宿泊予約、到着・出発サービス、コンシェルジュ、フィットネス、ハウスキーピング、客室、パブリック・エリア、バー、インルームダイニング、オールデイダイニング等が含まれ、評価基準は約550 項目ある。その評価基準の約75%が「経験」、約25%が「ハード」となっている。ホテルにとってハードはもちろん大切な要素ではあるが、世界基準で見たときにホテルの真価は提供するサービスによってもたらされるゲストの体験や経験によって問われることになる。
 
 評価が積み上げられた結果、総合得点が出される。総合得点90 点以上が5つ星、80 点以上が4つ星、70 点以上が3つ星に相当するRecommended となる。
 
 2017 年度に評価された53 カ国、144 都市、約2500 軒のホテルの中で、フォーブスの5つ星を達成したのは世界で174 軒のみ。4つ星は478 軒、Recommended は236 軒となっている。まさに狭き門であり、さらに毎年評価が行なわれるため星を達成し続けることが難しい。だからこそフォーブスは、世界中のホテルが目指すベンチマークとなっている。
 
 フォーブスの評価をクラスごとのサービス種別に見てみると、たとえば「礼儀・マナー」については5つ星の平均とRecommended の平均は9ポイントしか離れていない。ところが「高級感の演出」を比べると、5つ星の平均に対してRecommended が実に33 ポイントもの差が生じている。これは圧倒的な設備の差によるものだ。「ゲストの快適さ・便利さ」では21 ポイント差。こちらはスタッフの人員配置やアメニティーなどが大きく関わっている。
 
 注目すべきは「パーソナライズサービス、思いやりの表現」の部分で、5つ星の平均に対してRecommended の平均が31 ポイントの差が生じている。この項目は日本を含むアジアのホテルが最も弱い部分とされている。逆に欧米のホテルはこの部分がとても強い。欧米のホテルが文化的に持っている「ゲストと感情的につながろう」という気持ちは日本のホテルにもあるが、その気持ちが表現されていないことが多い。
 
「ホテルにゴールはありません。なぜなら感動に終わりはないからです」と小池氏は語った。「今日はサービスを提供する現場の中心にいるコンシェルジュの皆さまに、感動を与えることの大切さをお持ち帰りいただければと思います」
 

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